理美容業は特殊な業種
Posted on | 10月 29, 2014 | No Comments
労政審議会労働条件分科会で労働時間の特例廃止を検討
労働時間法制などについて審議する厚生労働省の労政審議会労働条件分科会が2014年10月28日開かれ、理美容業などに認められた1週44時間労働の特例制度が検討された。
特例対象業は徐々に減り、現在は商業(この中に理美容業が含まれる)、映画演劇、保健衛生、接客娯楽の分野が残っているが、平成25年には対象業種の8割が所定労働時間の40時間以内であることから、一律に所定労働時間に移行する案と、一部業種に改善が見られないため一部業種は特例を存続する案があり検討された。
事務局の資料によると、対象業種のなかで理美容業は40時間以下への達成率が45%と際立って低いため、主に理美容業を対象にした議論になった。
労働者側委員は、週40時間への移行を決めた昭和62年の法改正から27年、平成5年の法改正からも21年と長期間が経過し、多くの業種で40時間に移行していることや、週40時にして1週あたり4時間分の残業代を支払っても経営に与える影響は軽微であることなどをあげて一律に所定労働時間への移行を求めた。
これに対し、事務局(厚生労働省労働基準局労働条件政策課)が業界経営者団体の代表者の意見を紹介する形で、理美容業の経営規模が零細であること、経営効率を図るのが難しい業種であること、営業時間の短縮が収入の減少につながること、また運輸業の荷待ち時間と同様、客待ち時間があることなどをあげ、理美容業の特殊性を報告した。
使用者側委員、公益委員からは目立った意見はなく、労働者側委員は、理美容業に従事する労働者の意見を紹介しない事務局に対し、中立性を疑問視する意見も出された。
論点整理で、一律か一部存続かの方向性が明らかになる。
仮に存続の場合の対象業種は理美容業だけになる可能性が高く、理美容業は極めて特殊な業種になる。
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タグ: 労働時間, 厚生労働省, 法制度