厚生労働省が平成27年度税制改正要望を発表
Posted on | 8月 30, 2014 | No Comments
厚生労働省は平成27年度税制改正の要望を2014年8月29日発表した。理美容業など生衛業関係からは「生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度」の適用期限を2年間延長するようなどの要望が出された。
具体的な要望は別稿の通りだが、「事業承継時の負担軽減措置」を除いて、他は継続要望。
「事業承継時の負担軽減措置」については、理美容業など小規模零細事業者が後継者に事業を継承する際、現行の相続税を適用すると、事業継承が難しくなるケースが発生していることから、青色申告会など零細業者団体がかねてより要望していた。
【要望事項】
○ 生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限の延長 〔法人税〕
生活衛生同業組合(出資組合に限る)及び生活衛生同業小組合が策定する振興計画(*)に基づく共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限を、2年間延長する。
○ 生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限の延長 〔法人税〕
生活衛生同業組合(出資組合に限る)及び生活衛生同業小組合が策定する振興計画に基づく共同利用施設に係る特別償却制度の適用期限を、2年間延長する。
○ 生活衛生同業組合等及び消費生活協同組合等の貸倒引当金の特例措置の適用期限の延長 〔法人税、法人住民税、事業税〕
生活衛生同業組合等及び消費生活協同組合等の貸倒引当金に係る損金算入限度額の特例措置(通常の112%相当額)の適用期限を、2年間延長する。
○ 商業・サービス業・農林水産業活性化税制の延長〔所得税、法人税、法人住民税、事業税〕
中小商業、サービス業等の活性化のための投資に係る特別償却制度、税額控除制度について適用期限を2年間延長する。
○ 個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設〔相続税、贈与税〕
個人事業者が事業承継を円滑に行うことができるよう、個人事業者が後継者に生前贈与する事業用資産について、一定の要件の下で贈与税に関する特例を認める等、事業承継時の負担を軽減する措置を創設する。
【要望の必要性】
◯ 生活衛生関係営業は国民生活と極めて密着し(全産業545万事業所のうち20.2%、全従業者5,584万人のうち12.2%)、我が国経済の基盤かつ雇用面でも大きな役割を担うほか、生活弱者である高齢者、子育て・共働き世帯の生活を支える役割など多面的機能を含み、地域のセーフティネットとしての役割を果たしている。
◯ 現在の生活衛生関係営業の業況判断DI(▲29.1=株式会社日本政策金融公庫「生活衛生関係営業の景気動向等調査」平成26年1-3月期)は低調で、経営状況の悪化が懸念されている。さらに、今後見込まれる新たな負担増による消費意欲回復の妨げ、為替動向への懸念、電力料金の値上げや夏場の電力供給不安など中小企業及び各種組合を
取り巻く状況は依然として厳しい。
(*)生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律による
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