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根本的な見直し迫られる生衛貸付

Posted on | 8月 1, 2011 | No Comments

理美容カフェ政府の行う検討会や審議会というのは、多くの場合「外部の有識者が討議した」という実績作りが目的で、会が報告する結論というのは、予め事務局である担当課(局)が用意した内容に沿ったものになる。理容美容を所管する厚生労働省健康局生活衛生課が主宰して行っている検討会やワーキンググループもご多分に漏れず概ね、事務局の規定方針に沿う報告を出しているが、意見が真っ向から対立した会議があった。

「生活衛生関係営業の振興に関する検討会」で、税制や融資を検討してきたワーキンググループ。日本政策金融公庫(以下、日本公庫)から融資を受ける際、推薦書が必要な金額は現行300万円以上となっている。この金額について、融資する側の日本公庫側の構成員と融資を受ける理容美容の業者側構成員、融資を仲介する生活衛生営業指導センター(以下、指導センター)の構成員とで,正反対の意見が出された。

年々減り続けている、日本公庫の生衛関係への融資金額を増やすための方策が検討課題。目的は融資の活性化、増額なのだが、推薦書の金額については、指導センター・業者側の構成員が下げるべきとと主張したのに対し、公庫側構成員は逆に上げるべきとした。

公庫側構成員の主張は、公庫融資の利用を妨げている原因として、手続きの煩雑さを上げ、推薦書の必要な金額を引き上げることで、融資を増やそうというものだ。推薦書を用意するには、指導センターに相談しなくてはならない。一部県が行っているところもあるが、県で1カ所しかない指導センターに出向くのは大変だ、という。

一方、業者・指導センター側構成員は、相談を受けることで、組合加入を促し振興事業貸付などへの利用につなげれるとし、金額を下げるべきだと主張した。金額を下げることで、より多くの生衛業者が指導センターの窓口を訪れることになり、組合加入の機会が増えるからだ。

議論は、融資拡大だけを単純にとらえれば、公庫側に分がありそうだが、組合の存在を前提とした振興事業の推進を図る厚生労働省としては、2011年7月21日の「生活衛生関係営業の振興に関する検討会」で、最終報告書では金額を引き下げる方向で盛り込むことにした。

今回の会議で注目を集めた公庫への推薦書だが、指導センターの話によると、推薦書を交付しても中には融資を却下される例もあるという。しかも,この推薦書の推薦基準が昭和42年に策定されたもので、当時の理容業界で期待されていた距離制限の条項があったりと、いまでは死文化している条項が盛り込まれている。
推薦基準を見直すことが必要だし、何より推薦書そのものの位置づけも、整備しないといけない。

推薦書の前に、そもそも生衛貸付は、昭和42年に設立された環境衛生金融公庫が出発点で、環境衛生金融公庫が設立された当時は、生衛業者に貸付ける市中銀行がないことから、業者らが政治家に働きかけて公庫を設立した。その後は、国民金融公庫を経て、現在は日本政策金融公庫の一事業として生衛企画部に引き継がれているが、業務内容は変わらない。

ところが、WGの会議の中で指摘されたのは、市中銀行の方が素早く対処してくれる、というのだ。金利は市中銀行の方が高く設定されているが、生衛業のお店でも優良な店には日本公庫と同等の低い金利で対応している、という。
優良な店は、日本公庫から足が遠のいてしまうのもわかる。

市中銀行からも借りられるいま、日本公庫を利用するのは、市中銀行では貸してくれないお店ということになる。日本公庫の審査が慎重になるのも頷ける。

そもそも論になるが、生衛貸付の設立目的を考えると、当時と比べ社会情勢はもちろん金融情勢も大きく変わった。設立から44年、半世紀近く経ったいま、生衛貸付の制度そのものを根本から見直す必要がある。

7月21日の「生活衛生関係営業の振興に関する検討会」で業者側の構成員が、公庫の殿様商売的な営業を厳しく糾弾していたが、確かに生衛業への貸出金融機関として独占的な地位にあった昔とは違い、いまは市中銀行と競合している。日本公庫としても、積極的に営業をするなど、体質を変えることが求められる。そうしないと、設立の目的が希薄になったいま、存在意味すらなくなってしまう。

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タグ: 理美容カフェ

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