ポーラ化成、個々のシミ形成要因を推定するAIを開発
Posted on | 11月 15, 2025 | No Comments
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ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社は、微小皮膚採取技術「マイクロバイオプシー」を活用し、シミ(老人性色素斑)の遺伝子発現状態から形成要因を推定するAIの構築に成功した。
本成果は10月27日~30日に開催された情報計算化学生物学会2025年大会で発表された。

シミは大きさや濃さといった見た目だけでなく、内部の状態にも違いがあるとされる。形成にはメラニン、メラノサイト、ケラチノサイトなど複数の細胞の働きが関わり合い、要因が複雑に入り組んでいる。このため、個々のシミに適した有効成分や対策を導き出すには、シミごとの形成要因を把握する技術が求められていた。
ポーラ化成工業は、わずかな痛みで皮膚を採取できる「マイクロバイオプシー」を用い、各シミから取得した微量の皮膚組織から遺伝子発現量を網羅的に測定する技術を確立した。この研究により、シミごとに形成要因が異なることを明らかにしている。
さらに今回、膨大な遺伝子情報を基にシミの形成要因をスコア化し、個々のシミがどの要因で生じたのかを正確かつ詳細に推定するAIシステムを新たに構築した。本AIは、従来の統計手法では捉えきれなかった遺伝子間の複雑な関係性を解析できる点が特徴だ。
このAIを用いた検証では、レーザー施術の前後で「シミ形成要因スコア」がどのように変化するかを確認し、施術効果の評価にも応用できる可能性が示された。
ポーラ化成工業は、個別のシミに応じた精密なケアの実現に向け、今後も研究を進める方針だ。
タグ: AI, シミ, 美容サイエンス

























