キューティクルを剥離防止し枝毛抑制 成和化成が確認
Posted on | 10月 6, 2025 | No Comments
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化粧品原料の研究・製造を手がける成和化成株式会社は、2025年9月15日から18日までフランス・カンヌで開催された国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会で、スキンケア、ヘアケア、サンケアに関する3題のポスター発表を行った。
同社が発表した1題目は「表皮レチノールは表皮幹細胞を守ることで皮膚老化を抑制する―BCO1の重要な役割―」。
研究では、表皮角化細胞に存在するβカロテン変換酵素(BCO1)がレチノール産生に関与し、その結果、皮膚老化の抑制につながる可能性を示した。さらに、ビタミンC誘導体iVC® 3LGA(3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸)が紫外線によるBCO1の発現低下を防ぐことを確認し、肌の加齢対策における新たな方向性を提案した。
2題目は「低分子両親媒性物質によるキューティクル剥離の抑制」。
毛髪の最外層であるキューティクルの損傷を防ぐために、低分子原料Aminoreact® TsV(トシルバリンNa)を用いた。従来のように毛髪をコーティングするのではなく、キューティクルの剥離自体を抑えるというアプローチであり、蓄積による質感低下を避けつつ枝毛発生を抑制できることが確認された。
3題目は「固体紫外線吸収剤を高配合したシルク‐シリコーンハイブリッドポリマーからなるマイクロカプセル」。
同社が持つSilasoma®技術を応用し、固体紫外線吸収剤を高濃度に内包したカプセルを開発した。この技術により、溶解性・感触・安定性が改善され、他の防御剤との併用でSPF向上も確認された。
成和化成は、今後も科学的根拠に基づく素材づくりを通じて、美容と健康の両面から社会に貢献していく考えだ。
タグ: キューティクル, 成和化成, 美容サイエンス

























