タカラベルモント、IFSCC大会で毛髪研究3題を発表
Posted on | 10月 1, 2025 | No Comments
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タカラベルモント株式会社は2025年9月15日~18日、フランス・カンヌで開催された化粧品技術の国際学会「第35回 IFSCC Congress」で、同社最多となる3題の毛髪研究をポスター発表した。
IFSCC(国際化粧品技術者会連盟)が主催する Congress は、化粧品技術に関する最先端研究を披露する場で、今回は世界から1,100件以上のエントリーがあり、その中から採択された。
採択されたテーマは、視覚心理・処方設計・環境ストレスという異なる切り口から、毛髪・頭皮へアプローチした内容。
1、「Japanese KAWAII を叶えるヘアスタイルとは? ~視線解析で探る印象のヒミツ~」
2、分岐アルキル鎖に基づく新しい生体模倣型アプローチ」
3、「硬水は髪と頭皮のバリア機能を脆弱にする ~サイレントダメージから守るために~」
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視線解析で探る印象とヘアスタイル

1、アイトラッカーを用いた視線解析により、ヘアスタイルが人の視線動線に与える影響を調査した。ヘアセットありの写真では視線が前髪と顔に集中する傾向が見られ、セットなしではトップや毛先の乱れに視線が飛びがちであることが示された。さらに12種の前髪・毛先の形状変化を比較し、印象を左右するスタイルの組み合わせ効果についても検討。理美容師にとって、前髪と毛先の設計は見た目印象を左右する重要な要素であり、これを視覚科学に基づいて論じた内容となっている。
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分岐アルキル鎖を応用した新処方技術

2、毛髪保水性と湿気耐性を両立させる処方設計をテーマとした発表で、動物の羽繕いから発想を得た「分岐アルキル鎖構造」をもつ油性成分をトリートメント処方に導入した結果、髪のうるおい保持と湿気耐性が向上することが確認された。特に、同じ表示成分であっても分岐構造の違いが機能に影響を与えることを示した。これは、従来の原料評価を超えた微細構造設計がヘアケア製品において重要であることを示すという。
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硬水と髪・頭皮バリアの関係

3、硬水が髪と頭皮に与える“サイレントダメージ”に着目した発表。硬水条件下では、髪から脂質が流出しやすくなり、頭皮のバリア機能も低下する傾向が見られた。さらに、フルボ酸などの有機物質を用い、バリア回復を促す可能性が示された。この知見は、水質が異なる地域間をまたぐサロン展開や、硬水地域での製品設計に大きな示唆を与える。
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今回発表された3テーマは、サロンでの日常的な課題ーー見た目印象設計、処方性能、水質ストレス対応ーーに直結しており、サロン実務と研究を結びつける内容となっている。
タグ: タカラベルモント, ポスター発表, 美容サイエンス

























