「原価を価格に転嫁できない」が美容業で過去最多に|経営上の問題点(2025年4〜6月期)
Posted on | 8月 4, 2025 | No Comments
日本政策金融公庫が2025年7月31日に発表した、2025年4〜6月期における生活衛生関係営業の景気動向等調査によれば、理美容業における「経営上の問題点」(複数回答)は、「顧客の減少」「原価を価格に転嫁できない」「客単価の低下」が引き続き多数を占めている。
理美容業ともに最多の回答は「顧客の減少」。美容業では、2021年度に70%を超えていたが、近年はやや改善傾向にある。しかし、2023年以降は50%台で推移しており、美容業の企業の過半数が依然として「顧客の減少」を最大の課題と捉えている。理容業においても一時的に50%を下回った時期があったが、基本的には同様の傾向で推移しており、「顧客の減少」は理美容業共通の深刻な経営課題といえる。

加えて、「原価を価格に転嫁できない」という回答も2022年度以降に増加傾向を示し、今期、美容業では35.0%と過去最高を記録した。コスト高と価格転嫁の困難さが、収益構造を圧迫している実態が浮き彫りとなっている。
【理容業】主な経営上の問題点
| 項目 | 今期 | 前期比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 顧客数の減少 | 50.6 | 0.7 | 0.8 |
| 客単価の低下 | 21.1 | 1.8 | -1.5 |
| 原価を価格に転嫁できない | 32.4 | -0.9 | -1.9 |
| 店舗施設の狭隘・老朽化 | 18.0 | 1.9 | -0.8 |
| 後継者難 | 8.9 | 2.4 | 1.3 |
| 従業員の確保難 | 10.6 | -0.2 | -0.1 |
| 事業資金借り入れ難 | 1.0 | -1.4 | -0.2 |
| その他 | 3.4 | -2.4 | -0.4 |
| 特になし | 16.3 | 1.4 | 1.5 |
【美容業】主な経営上の問題点
| 項目 | 今期 | 前期比 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 顧客数の減少 | 56.2 | 1.9 | 4.8 |
| 客単価の低下 | 19.0 | -5.3 | -1.8 |
| 原価を価格に転嫁できない | 35.0 | 2.4 | 0.9 |
| 店舗施設の狭隘・老朽化 | 17.5 | 5.1 | 1.2 |
| 後継者難 | 5.3 | 0.5 | -0.1 |
| 従業員の確保難 | 12.7 | -0.8 | -4.4 |
| 事業資金借り入れ難 | 4.6 | 2.0 | 1.1 |
| その他 | 4.8 | -0.9 | 0.9 |
| 特になし | 11.4 | 0.1 | 0.1 |
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