理美容業界の経営上の問題点(2025年1-3月期) 顧客減少・価格転嫁困難が依然深刻
Posted on | 5月 2, 2025 | No Comments
日本政策金融公庫が2025年4月28日に発表した、2025年1〜3月期における生活衛生関係営業の景気動向等調査によれば、理美容業における「経営上の問題点」は、「顧客の減少」「原価を価格に転嫁できない」「客単価の低下」が引き続き多数を占めている。
中でも「顧客の減少」が最多で、理容業では49.9%、美容業では54.3%と、約半数の経営者がこの課題を挙げている。これは、コロナ禍最中の2021年に記録された70%超という水準からは減少しているものの、依然として深刻な問題であることに変わりはない。
また、「原価を価格に転嫁できない」という問題は、理容業で前期比+0.5ポイント・前年同期比+7.3ポイント、美容業ではそれぞれ+0.2ポイント・+5.2ポイントと増加しており、原材料費の高騰が影響していると見られる。
さらに「客単価の低下」は、生活衛生業全体で15.3%だったのに対し、理美容業ではそれよりも約10ポイント高い数値となっており、「顧客の減少」と合わせて、理美容業における景気回復の遅れが顕著となっている。
【理容業】主な経営上の問題点
項目 | 今期(%) | 前期比(pt) | 前年同期比(pt) |
---|---|---|---|
顧客数の減少 | 49.9 | -0.3 | -3.5 |
客単価の低下 | 19.3 | +1.1 | -4.6 |
原価を価格に転嫁できない | 33.3 | +0.5 | +7.3 |
店舗施設の狭隘・老朽化 | 16.1 | -0.4 | +1.0 |
後継者難 | 6.5 | +1.2 | +0.6 |
従業員の確保難 | 10.8 | ±0.0 | -0.3 |
事業資金借り入れ難 | 2.4 | +1.4 | +1.2 |
その他 | 5.8 | +0.3 | -0.1 |
特になし | 14.9 | -2.1 | -1.2 |
【美容業】主な経営上の問題点
項目 | 今期(%) | 前期比(pt) | 前年同期比(pt) |
---|---|---|---|
顧客数の減少 | 54.3 | -1.7 | +2.0 |
客単価の低下 | 24.3 | +2.4 | -0.3 |
原価を価格に転嫁できない | 32.6 | +0.2 | +5.2 |
店舗施設の狭隘・老朽化 | 12.4 | -0.9 | -1.6 |
後継者難 | 4.8 | -0.7 | -1.0 |
従業員の確保難 | 13.5 | -0.3 | -1.8 |
事業資金借り入れ難 | 2.6 | -1.1 | -1.7 |
その他 | 5.7 | +0.2 | -0.1 |
特になし | 11.3 | -0.3 | +0.1 |
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