薙髪(ちはつ)
Posted on | 4月 14, 2024 | No Comments
「薙髪」は「ちはつ」といいます。『広辞苑』に掲載されている言葉ですが、令和のいま使う人は一部の僧侶ぐらいで、一般の人はまず使いません。
「薙」は薙刀(なぎなた)にあるように、横に払う、という意味があります。『広辞苑』は「髪を剃ること」を第一義に掲載しています。
「頭髪をそること、僧となること。落飾。剃髪(ていはつ)」
落飾(らくしょく)は貴人(主に女性)が剃髪して仏門に入ることです。
頭を剃る行為は「剃髪」と表現されることが多く、「薙髪」は一般的には使いません。
第二義は「もとどりを切ること」です。丁髷を結い、髻をしていたのは明治の初めまでです。その当時はよく使われていた言葉のようで、「武江年表」(斎藤月岑)など、江戸時代の書物に登場します。薙髪して仏門に入る意味合いで使うことが多い。
丁髷が過去の風俗になったいま、この意味で使うことはありません。
なお、明朝を倒した女真族の清が出した辮髪令のことを別名、薙髪令ともいいます。辮髪は頭髪を剃り、後頭部だけを長く伸ばして編む男子の髪型ですが、「辮」には「編む」という意味、そして「薙」には「剃る」という意味があります。
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