仕入れ価格上昇で 理美容業の4分の3が経営悪化
Posted on | 12月 3, 2023 | No Comments
物価の値上がりが続く昨今、理美容業の仕入れ価格も上昇し、料金への転嫁が経営課題になるなか、理容業では約半数、美容業では三分の一以上の企業は料金への転嫁がまったくできていない。
日本政策金融公庫は2023年11月30日「価格動向に関するアンケート調査」の結果を発表した。
飲食業やホテル・旅館業などと比べると原材料費比率の低い理美容業だが、四分の三を超える企業は経営悪化している実態がわかった。また働き方改革で給与などの処遇改善がすすむ理美容業だが、人件費以外の経費増が負担になっている。
調査時期2023年9月中旬。有効回答数は理容業416企業、美容業457企業。
1)仕入れ価格動向
理容業(n=416)
上昇した:65.6%
変わらない:32.0%
低下した:2.4%
理容業(n=457)
上昇した:58.0%
変わらない:37.6%
低下した:4.4%
2)仕入れ価格上昇による経営悪化への影響
理容業(n=273)
かなりある:12.1%
ある程度ある:64.8%
影響はない:8.1%
どちらともいえない:15.0%
美容業(n=265)
かなりある:11.3%
ある程度ある:63.4%
影響はない:6.4%
どちらともいえない:18.9%
3)仕入価格上昇分の料金への転嫁
理容業(n=273)
すべて転嫁できている:5.5%
おおむねできている:10.3%
一部できている:29.3%
まったくできていない:50.2%
わからない:4.8%
美容業(n=265)
すべて転嫁できている:6.8%
おおむねできている:16.7%
一部できている:37.0%
まったくできていない:36.2%
わからない:7.5%
4)料金へ転嫁できた理由(2つまでの複数回答、上位3位)
理容業(n=123)
①顧客の理解が得られている:75.6%
②すでに他社が実施している:33.3%
③既存サービスの付加価値向上:17.1%
美容業(n=149)
①顧客の理解が得られている:75.8%
②すでに他社が実施している:34.9%
③既存サービスの付加価値向上:19.5%
5)今後1年間の仕入れ価格見通し
理容業(n=416)
上昇する:67.5%
変わらない:30.5%
低下する:1.9%
美容業(n=457)
上昇する:68.5%
変わらない:28.4%
低下する:3.1%
6)料金の動向
理容業(n=416)
引上げた:32.5%
据え置いた:66.1%
引下げた:1.4%
美容業(n=457)
引上げた:38.7%
据え置いた:60.2%
引下げた:1.1%
7)料金値上げの理由(複数回答、上位5位)
理容業(n=135)
①仕入れ価格上昇の転嫁:68.1%
②人件費以外の経費増:34.8%
③商品・サービスの付加価値向上:20.7%
④人件費の上昇:20.0%
⑤商品・サービスの変更:13.3%
美容業(n=177)
①仕入れ価格上昇の転嫁:65.0%
②人件費以外の経費増:32.8%
③商品・サービスの付加価値向上:27.7
④人件費の上昇:25.4%
⑤商品・サービスの変更:24.9%
8)料金値上げした企業の利益動向
理容業(n=135)
利益増加:16.4%
不変:54.1%
利益減少:16.3%
美容業(n=177)
利益増加:16.4%
不変:68.4%
利益減少:15.3%
9)今後1年間の料金見通し
理容業(n=416)
引上げる:23.3%
据え置く:76.4%
引下げる:0.2%
美容業(n=457)
引上げる:25.2%
据え置く:73.7%
引下げる:1.1%
タグ: 価格動向調査, 料金動向, 日本政策金融公庫