「現代の名工」に田中秀一氏ら理美容業界から6名

Posted on | 11月 11, 2023 | No Comments

厚生労働省は2023年11月10日、令和５年度「卓越した技能者」(通称「現代の名工」)150名を発表。理美容業界（15部門）から山口幸一、田中秀一（以上、理容師）、辻勢津子、八木英一（以上、美容師）、鈴木由喜枝、荘司礼子（以上、着付師）の6名が受賞した。

その道で第一人者と目されている技能者を表彰する制度で、11月13日東京都新宿区のリーガロイヤルホテル東京で表彰式が行われる。

理容美容着付などの15部門の「代表的な紹介文」では、田中秀一氏（東京都推薦）が紹介された。

理容師
田中秀一（72才、有限会社サントノーレ　ヘア＆メイクサントノーレ、東京都）
○【個性化を求める消費者ニーズに対し、ヘアデザインの「質感」を表現する技術と理論の確立に尽力】
氏は特にお客様の髪の持つ素材感・質感の個性を生かすマテリアルカット及びドライカットの技能は業界の第一人者である。近年、若い世代の髪型の主流は過去の硬い雰囲気のハードタッチから、毛先を遊ばせたナチュラル傾向へと変化しているが、氏のマテリアルカット技法及びドライカット技法は、こうした消費者ニーズに応えるものであり、業界を需要喚起して理容業の振興に資した功績は大きい。
全国理容生活衛生同業組合連合会中央講師に就任後は、全国に赴き多くの理容師に対して技術指導に尽力したほか、自店の従業員を全国理容競技大会で多数優勝させる成果を上げるなど後進の指導育成に大きく貢献している。

〇【技術の本質を極めるには、基本を極めることである】
18歳の時、福岡県久留米市からへ上京して２年間東京のタイヤ工場で勤務。退社後に兄の勧めで理容師見習いとして住み込み、理容専門学校に入学し国家資格を取得。
仕事における私の座右の銘は以下３つ。
①【自分にウソをつかない】私達の職業は物が対象ではなく人(人間)が相手。お客様に喜んで頂く為に本物の感動を与えることで再来店に繋がる。自分にウソをつかないで素直に学ぶことが大切。
②【基本の大切さを知る】幅広い年代層のお客様のヘアを創るヘアアーティストを目指してきた。その為には技術の基本が一番大切で、基本が出来たら応用ではなく基本の繰り返し。そうすることで自信がつき、本物のプロを目指せる。
③【心・技・体】私は生涯現役でいる為にも素直(心)・基本技術の追求(技)・健康な身体作り(体)を心掛けている。

表彰者名簿より
理容師
山口幸一（61才、カットスタジオかみゆい、群馬県）
世界大会三位入賞に代表されるカット技能、薬剤の効果を長続きさせるヘアアイロン施術技能を活かして、顧客の個性を最大限発揮できるようなヘアスタイルの提案を行うことができる。
また、独自のトリートメント施術方法を確立し業界全体に広めているほか、若年技能者に対しては自身の技能競技大会出場経験に基づいた指導を行い、全国規模の大会において入賞者を多数輩出している。

理容師
田中秀一（72才、有限会社サントノーレ　ヘア＆メイクサントノーレ、東京都）
理容師として優秀な技能を有し、個性化を求める消費者ニーズに対応するため、ヘアデザインにおける「質感」を表現する技術と理論の確立に尽力するととともに、後進技能者の指導育成に貢献した。
特に理容施術における、お客様の髪の持つ素材感・質感の個性を生かすマテリアルカットの技能は、業界の第一人者である。

美容師
辻勢津子（74才、株式会社辻美容室　ビューティーステーションＴ’ＳＥ、大阪府）

現役美容師として長年にわたり美容技術の研鑽に努めている。特に花嫁化粧着付は美容師としてヘア・着付・メイク・ネイルという総合的な技能を要し、同人の技能を最大限に発揮している。

また、自身の研究団体をはじめ講習会等で講師を務め、後進育成にも熱心に携わり美容業界発展のため貢献し多大なる功績を残している。

美容師
八木英一（59才、美容室マルホランド、徳島県）
幅広い技能と知識により、感性に富んだ進歩的な新しいヘアスタイルを創作発表し、その高度なテクニックで各地において普及講習活動を行うとともに、パーソナルカラーの提案など独自の理論・技法により様々な消費者ニーズに対応している。日本髪を伝承しつつ、今風にした新日本髪というヘアスタイルを発信し、技術の普及と和装需要の喚起にも貢献している。
優れた指導力で若手技術者等にコンクール等の技術指導を熱心に行い、優秀な人材を多く輩出し後進の指導、育成にも大いに尽力している。

着付師
鈴木由喜枝（77才、有限会社アプリーレチェリー、東京都）
長年、着付け技能を中心とした美容技能の研鑽に努め、特に着付帯結びにおいて、時代の変化、消費者のニーズの多様化に合わせて、多くの創作発表とオリジナル小物の考案を行い、各地の講習会、研修会で講師を務め、自らの技能を継承していくとともに、その技術力･指導力で若手技術者に対してコンクールの指導を熱心に行い、優秀な人材を多く輩出するなど後進の指導、育成にも大いに貢献している。

着付師
荘司礼子（74才、学校法人国際文化学園　国際文化理容美容専門学校、東京都）
独創的で斬新な帯結びのデザインを創作し、専門誌や講習会を通じて紹介・提案をしている。また、宮中から認められた「衣紋道」の修得者であり、十二単などの装束に関する知識や作法、着付の仕方などを研究している。
業界の技術の向上発展に尽力し、理容師・着付師の社会的地位の向上に努めるとともに、( 学) 国際文化学園の校長や全理連専門講師（ＢＢ着付け・ＢＢエステティック担当）として後進指導育成に多大な貢献をしている。

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