もう一つの理美容店の市場規模
Posted on | 7月 30, 2022 | No Comments
2021年の理美容店の市場規模を家計調査から計算すると、おおよそ9500億円程度になります。
家計調査は理美容関係の支出項目として、理髪料、パーマネント代、カット代があります。これ以外にも、他の理美容代のなかに、ヘアカラーやセット代、着付け代などがあります。
家計調査は「二人以上の世帯」「単身世帯」別に年間支出金額が表章されているので、それぞれの世帯数を乗算すれば国内の支出金額が計算されます。政府が公表している世帯数で乗算すると、
理髪料:2528億円
パーマネント代:1481億円
カット代:3027億円
他の理美容代:1兆0523億円
になります。
理髪料、パーマネント代、カット代を合計した7036億円が理美容店のコア的な市場になります。
1兆円を超える「他の理美容代」には、エステやネイル、リラクゼーションなどの美容系サービスのほか、大型温浴施設関連の支出が含まれているので、これらを按分しなければなりませんが、的確な資料がないので、ざっくりとしたものになってしまいます。
また、「他の理美容代」に含まれる着付け代は、美容師が行う着付けよりも、近年は着物レンタルにともなう着付け代や写真館での着付け代が増えているといいます。
ヘアカラーについては、近年パーマネントを凌ぐ需要があります。これらを考慮すると理美容店市場は、コアの部分の7000億円に2500億円を上乗せした9500億円程度になるものと推測します。概数で1兆円弱というのが、家計調査から推測できる理美容店の市場規模になります。
家計調査は理容業と美容業をわけていませんが、理髪料は理容業と関係が強そうです。あえて理容業と美容業に市場をわけるなら、理容店市場2600億円程度、美容店市場は6900億円程度になりそうです。
以上の家計調査をもとにした市場規模の計算は、ひろく使われている手法ですが、理美容店市場に関しては実態を正確に表しているとは思えないのが正直なところです。
美容センサス調査(リクルート)にもとづく理美容店市場規模のほうが実態に近そうです
美容室1兆5000億円、理容店3000億円 推定市場規模
https://ribiyo-news.jp/?p=35729
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