美容の時代、正確には美容用品の時代
Posted on | 5月 14, 2022 | No Comments
美と健康が注目されるようになって久しい。
2000年以降の家計調査(二人以上の世帯)をみると、美容支出は増えている。消費支出全体はやや減少しているにもかかわらず美容支出は増えており、消費者の美に対する投資は惜しみない。
美容支出には大きく化粧品や美容機器など「美容用品」と、理美容など対人「美容サービス」があり、支出が増えているのは美容用品で、理髪やパーマネント、カットなどの美容サービスはほぼ横ばいだ。美容サービスは消費支出全体のほぼ1%程度で推移しているが、消費支出そのものが減少しているので、実際の支出は減少している。これに対し、美容用品は2000年から1.4倍ほど拡大した。
美容サービスには、理髪料、パーマネント代、カット代、他の理美容代の4項目があり、20年間の推移をみると(グラフ)、理髪料とパーマネントが縮小している。とくにパーマネント代は大きく縮小している。これは数量(利用回数)が大きく落ち込んでいるからだ。
カット代はやや増え、他の理美容代は大幅に増えた。他の理美容代にはヘアカラー代なども含まれているので、理髪料とパーマネント代だけが理美容店の売上ではないが、理美容店の売上は縮小傾向にあるのが推測される。
他の理美容代には、エステティックやネイル、アイビューティ、リラクゼーションなどが含まれ、これらの美容サービスが理髪、パーマネントにとって代わりつつあるのがわかる。美容サービスの市場は横ばいながらその内容は時代とともに変化している。消費者の美容ニーズはゆっくりとだが時代とともに変わる。
美容用品が伸びている背景には、化粧品会社や美容家電メーカーの需要把握と需要喚起があるが、消費者のセルフ志向もある。美容サービスは、いつの時代もセルフと競合しながら進化し変化してきたが、いまは美容サービスが苦戦しているようだ。
美と健康の時代のいわれるいま、美に関しては美容用品の時代といったほうがいいのかもしれない。
*グラフは実質ベースの数値
タグ: 理美容ラウンジ, 美容の時代, 美容用品