理美容サロン業界の停滞は2022年も続きそう
Posted on | 1月 6, 2022 | No Comments
理美容業は世の中の景気動向の影響を受けやすい下流産業の一つです。世の中の景気が良くなり、消費者の所得が増えなければ、理美容店の売上は増えない。
ところが世の中の景気は低迷を続け、消費を牽引する中間層が細っています。
日本には絶対的貧困者はいません。絶対的貧困とは満足に食事ができない状態のことですが、相対的貧困層は先進国の中でも多い。
上図は相対的貧困率の推移を示したものです。1985年は12.0%でしたが、2018年は15.4%になっています。2012年の16.1%をピークに減少し改善しているように見えますが、これは相対的貧困率の計算方法(*)にも影響されます。
2015年、2018年と貧困率が改善したのは賃金が上昇せずに中央値が下がった結果ともいえます。平成の時代を通して、中間層が細ってきましたが令和の時代も続きそうです。
また貧困層にはカウントされないまでも、かろうじてクリアしている貧困層に準じる層は多い、といわれています。
消費支出をみても、1993年は1世帯当たり402万円余あったものが、2018年には345万円弱に減少してしています。日本で低価格志向が定着しているのは、このような背景があるからで、当然、消費者物価は伸びませんし、下流産業の売上増は期待できません。
理美容業界でも、リーズナブルな料金のサロンの需要が増えている反面、一般の付加価値のあるサービスを提供するサロンは頭打ちの状態が続いています。政府は賃上げする企業を優遇する税制を決めましたが、効果は限定的といわれています。
2022年、理美容サロン業界全体を高所から俯瞰すると、今年も緩やかな縮小傾向が続きそうです。しかもオミクロン株という新たなウイルスが登場しては、先行きは不透明感が増すばかりです。
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