美容店への来店行動を予測 計量経済学から解析
Posted on | 10月 6, 2010 | No Comments
美容店の顧客の満足度を科学的に解析し、来店行動の特定化を予測する研究が独立行政法人経済産業研究所(RIETI)より2010年10月公表された。売上げ予測はもちろん、サービス業の重要な経営判断である出店、営業時間、人員配置などの決定に必要な情報を得られる、という。
発表したのは、独立行政法人経済産業研究所の(RIETI)は小西葉子研究員。専門分野は計量経済学。
論文のタイトルは「The Effects of Congestion and Skills at a Hair Salon on the Consumer’s Revisiting Behavior」(日本語タイトル:店舗混雑やサービスの質を考慮した顧客の再来店確率の推定)。
小西葉子研究員は、2006年にも「存続時間分析による美容院顧客の来店確率予測」を発表している。
以下は論文の概要紹介より。
「本稿では、存続時間分析を利用して美容院顧客の来店行動の特定化を行う。具体的には、美容院の基本サービスであるヘアカットを行った顧客に対して、顧客の異質性を考慮したCoxモデルによる推定を行った。この種の分析では、顧客に満足度のアンケートでもとらない限り、彼らの満足度を直接測る指標はない。本稿では、再来店するか否か、どれくらいの期間で再来店するかは顧客の満足度を反映していると考える。そのためモデル構築には通常の属性変数に加え、前回来店時の店や担当者の混雑状況、担当者の技術レベルといった顧客の店舗での経験を考慮した。結果、顧客のロイヤリティの高低や年齢層により、混雑や担当者の技術レベルの影響が来店確率に与える影響が異なることが観察された。来店行動を特定化することにより、いつ、誰が、何をしにくるのか予測することが可能となる。
これは売り上げ予測に留まらず、サービス業の重要な経営判断である出店、営業時間、人員配置などの決定に必要な情報を提供することになる。」
*論文は英語表記。
(情報/公開情報による)
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