『日本の裝束 解剖図鑑』
Posted on | 4月 15, 2021 | No Comments
古代から現代まで続く有職故実の裝束をイラストでわかりやすく解説した『日本の裝束 解剖図鑑』が2021年3月発行された。
王朝貴族や武家など、古代より日本を支配してきた特権階級の衣服の変遷が俯瞰できる。烏帽子と髪の関係も垣間見れる。
いまの皇室が着用する古式ゆかしい裝束は古代からつづくものではなく、大正期にほぼ完成した衣装で、有職故実といっても時代とともに変わる。そして普段着だったものが、時を経て公的な式服になっていくのもわかる。
明治時代、日本古来の裝束の復古を目指した皇室だが、結局行き着く先は唐や隋の大陸の服装であり、さらには北方騎馬民族の衣服になってしまうことから、洋服を正式な服装として採用したのも理解できる。
見開き2ページで一つの時代を漫画チックなイラストとともに紹介する構成で、有職故実の超入門書といえる。
著者:八條忠基(日本風俗史学会会員、綺陽裝束研究所主宰)
A-5版、128ページ、全4C
版元:エクスナレッジ
定価:1760円
アマゾンなどから購入できる。
タグ: 日本の裝束, 有職故実, 本の紹介