理美容業から6氏が令和２年度現代の名工に

Posted on | 11月 7, 2020 | No Comments

厚生労働省は2020年11月6日、令和２年度の卓越した技能者(通称「現代の名工」)150人を発表した。理容業から伊藤和幸、靱尾正人、大導寺正毅の3氏、美容業から中田眞智子、塚越徹也、金田惠美子の3氏が選ばれた。

大導寺氏は全理連、塚越氏は全美連、他の受賞者は自治体推薦。

表彰式は11月9日、東京都新宿区のリーガロイヤルホテル東京で挙行されるが、今回はコロナ対策のため各部門1名の代表が出席して行われる。理美容など第15部門は金田惠美子氏が出席する予定。

独自の冷やしシャンプー技法確立
伊藤和幸（67歳、山形県）伊藤理美容院
頭部に正確に四十五度となるグラデーションカットや毛量調整によるやわらかなレディスカットなど、高いカット技術を有している。また、独自の冷やしシャンプー技法で、頭皮の衛生を保つスピーディーな技術と、冷感によって爽快感をもたらす独特なシャンプー技法を確立した。
さらに、全国理容競技大会で多くの入賞者を輩出するなど、後進理容師の指導・育成に多大な貢献を果たしている。

「理・美容融合カット技法」を実用化
靱尾正人（63歳、大阪府）ヴィジュアライズコーポレーション
数々のコンテストで上位入賞を果たしたヘアカット技術を根底に、髪を削る感覚を重視したカット技術を構築する。また、顧客に最も似合う髪形を追及する為、理容・美容の両免許を取得し、それぞれ優れた点を取り入れた「理・美容融合カット技法」を実用化した。理容組合をはじめ多くの団体・学校等で後進技能者の指導育成及び、コンテスト審査員を務める傍ら審査委員長として後進審査員の育成にも尽力している。

理容エステで卓越した技術
大導寺正毅（62歳、千葉県）ザック・ヘア
シェービング時、顧客の肌ダメージを軽減させるため、シェービング前後に行う理容エステティックにおいて、皮膚表面を好ましい状態に保つための香粧品（洗顔料や化粧水）を用いてのスキンケア、フェイシャルトリートメントなどの研鑽を重ね、さらに器具や商材の開発に携わるなど卓越した技術を有する。理容業界の技術の向上発展に尽力し、理容師の社会的地位の向上に努め、後進理容師の指導・育成に多大な貢献をしている。（全理連推薦）

着付けの技能伝承に貢献
中田眞智子（72歳、神奈川県）キャスミン美容室
古典から現代までの時代を反映する文化に精通し、着付けを中心とした美容技術の研鑽および所作等の研究に励み、着付文化が薄らいでいく中、その卓越した技術と知識により技能の伝承に貢献している。また、伝統を活かしながら、時代の多様化に合わせ、新しい感性で多くの創作作品を発表するとともに講習会講師を務めるなど後進の指導、育成に尽力
している。

ショートのアップなど感性豊かなヘアを創作
塚越徹也（52歳、京都府）若葉美容室
幅広い技能と知識により、短い髪でも豆ゴムを使いアップスタイルを作る等、和装、洋装両方に使えるテクニックを始めとした感性に富んだ進歩的なヘアスタイルの創作発表を行い、その高度なテクニックを伝承するため、各地で普及講習活動を行うとともに、独自の理論・技法により多様化する消費者ニーズに対応している。さらに、若手技能者、学生をコンクール入賞に導くなど指導力を発揮し、優秀な人材の育成にも大いに貢献している。（全美連推薦）

古典から新作まで着付帯結びに幅広い技能
金田惠美子（84歳、東京都）ビューティ　カネダ
着付帯結びの技術指導をはじめニュー帯結びの創作・発表で活躍し、日本古来の伝統的な古典着付（十二単衣や紋服など）から成人式や七五三に関する幅広い技能を有しており、着付を通じて美容業界の発展と社会的地位の向上に貢献し、多くの功績を残している。
　また、美容技術団体や自らが立ち上げた着付教室での着付技術指導や人材育成など、他の技能者の模範と認められる。（職種は「衣装着付師」）

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