毛包器官再生による脱毛治療
Posted on | 6月 6, 2018 | No Comments
理化学研究所と株式会社オーガンテクノロジーズは2018年6月4日、再生医療分野である「毛包器官再生による脱毛症の治療」に向けた臨床研究の前段階である非臨床試験を開始した、と発表した。
健康な毛包細胞を再生、増殖させ、脱毛部に移植することで脱毛治療につなげるもので、すでにヌードマウス(写真)で実証しており、2018年中に安全性試験を終え、再生医療等委員会、臨床研究委員会の審査を受け、臨床試験に移行する、という。
健康な毛包部を移植して脱毛部をカバーする移植手術はすでに行われているが、健康毛が減ってしまうという根本的な欠点がある。このため健康な毛包を増やすことが脱毛医療の課題となっていた。いわゆるクローン技術はこの10年間で大きく進歩し、器官(臓器)再生医療の基礎研究が進み、理化学研究所生命機能科学研究センター器官誘導研究チーム(辻孝リーダー)が2007年に器官のもととなる器官原基を再生する細胞操作技術の開発に成功していた。
臨床試験で悪性腫瘍の発生がないことなど安全性が確認されれば、治療へと移る。毛髪移植による脱毛治療は医療分野になるが、術後のケアも重要で、理美容師の業務の新たな市場が広がる可能性もありそうだ。
(情報/ニュースリリース)
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