グルーの検査で高濃度のホルムアルデヒド
Posted on | 2月 22, 2017 | No Comments
東京都生活文化局消費生活部生活安全課は、つけ爪やまつげエクステンションに使用する接着剤(グルー)の安全性に関する商品テストを実施し、その結果(「つけ爪、まげエクステンショ等に使用する接着剤の安全性」)を2017年2月21日発表した。それによると、全てのグルーから高濃度のホルムアルデヒドの溶出、放散を確認した、という。
試験結果を踏まえ、同課は現在、つけ爪やまつげエクステンションに使用する接着剤が法規制を受けていないことから、「法のすき間」を埋める法的措置や、業界団体に自主基準の策定を求めた。その一方で、現行の試験法は成分特性に対応していないことも指摘、グルーに対応した試験方法の導入も求めた。
つけ爪やまつげエクステンションは健康被害があとをたたない。施術上の問題もあるが多くはグルーに含まれるホルムアルデヒドによる。ホルムアルデヒドは、家庭用品規制法、医薬品医療機器法、建築基準法などで規制を受けている。
医薬品医療機器法では、その毒性から配合禁止成分に指定されているが、家庭用品規制法では限定的に使用が認められている。ところが家庭用品規制法は個人使用、セルフが前提のため、美容師やネイリストが使用する業務用グルーは規制の対象外になっている。
そこで同課では、一般に使用されているグルーなど25製品について検査した。対象製品は日本製が半数以上を占めるが、台湾製、中国製、アメリカ製、韓国製などが含まれる。
試験は家庭用品規制法に定められた方法で、ホルムアルデヒドの溶出試験、放散試験を実施。その結果、いづれの製品も定量下限値を超す量を計測した、という。
同課では、検査した製品にはシアノアクレートの含有を表示するものがあり、シアノアクレートは加熱することでホルムアルデヒドに分解されるされることから、検査方法の見直しの検討を求めた。
さらに同課では、利用者に「何か異常を感じたら、直ちに使用を中止して、接触した部分を水で洗い流し、すみやかに医療機関を受診してください。受診時にはつけ爪やまつげエクステンション等を行ったことを医師に告げましょう。」とアドバイス。
また、「国、事業者への要望」として、「つけ爪及びまつげエクステンション用接着剤をはじめとした身体に使用する接着剤について、成分等の表示に関し、法規制等による表示の適正化に向けた対策の推進を要望します。また、つけ爪及びまつげエクステンション用接着剤について、試験法を含めたホルムアルデヒド等有害物質に関し、法規制等による安全性確保に向けた対策の推進を要望します。
事業者の団体等に対し、つけ爪、まつげエクステンションに使用する接着剤の安全性確保について一層の対応を図ることを要望します。」とした。
「つけ爪、まげエクステンショ等に使用する接着剤の安全性」報告書
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/documents/secchakuzai_houkokusho.pdf
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