理美容業界は規模の二極分化
Posted on | 1月 3, 2017 | No Comments
21世紀は、富める人と貧しい人の格差社会とも二極分化の社会ともいわれます。それは理美容業界にもあてはまります。
これまで日本には中間層といわれる人が大多数を占めていました。彼らの消費活動に支えられて、街の理美容店は繁栄してきましたが、主要客の中間層が減少しては、経営は厳しくならざるをえません。
これまでの普通の理美容店は数人の従業員を雇って、店を経営してきました。中には支店を構える経営者もいました。しかし、この規模の理美容店の経営は従業員を確保し、雇用するという面からも難しくなっています。
志望者が長期にわたり低迷している理容店は店舗数が減り、残っている理容店は大多数がすでに零細の家族経営です。反面、1000円カットの業態企業が好業績を上げ伸長しています。
美容店はいまのところ志望者が多いので、数人の従業者を雇用している店はありますが、これからは難しくなるでしょう。
従業員を安定して雇用するには、労働保険や社会保険など各種保険に加入するのが前提になります。これらの保険加入が中間的な規模の美容店では負担が大きい。それは経済的にも事務手続きの面からもです。
しかも、この規模では1人の従業員が退職した場合の影響は大きいものがあります。たとえば100人規模の企業サロンなら一人辞めても影響は100分の1、つまり1%で済みますが、10人規模の店なら10分の1、10%の影響を受けることになり、他の従業員に及ぼす影響、店の経営に及ぼす影響は軽微では済みません。
また、ネット媒体、印刷媒体などを活用した集客を行うにしても、その費用対効果を考えると効率がよくありません。
この規模、つまり中間的な規模の店は、従業員雇用の面、経営効率の面からも存続が難しい状況になるのは明らかです。
理美容業界も二極分化は避けられない、というのが当メディアの予想です。しかし、世間の二極分化と基本的に違うのは、理美容業界の二極分化は規模の分化であって、それがイコール富と貧との分化ではないことです。
だからといって、大規模企業、零細店に競争がないわけではありません。大規模企業は、競合する企業、零細店との競争がありますし、零細店も近隣の店舗との競争があります。
理美容業界は人手不足がいわれていますが、オーバーショップ、過剰人員なのが実態です。厳しい競争がないはずがありません。
厳しい競争は避けられませんが、規模の大小だけで勝ち負けが決まるわけではありません。
小規模零細の家族経営の理美容店でも、やりようによっては世間並、それ以上の収入を得ることは十分可能です。
理美容の仕事は、料金を支払うお客様から感謝され、しかも定年もなく生涯現役で働ける素晴らしい仕事です。
2017年、小規模な家族経営の理美容店も頑張ってもらいたいものです。
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