トレンド総研がインナーケアを調査
Posted on | 3月 24, 2015 | No Comments
肌と胃腸は密接な関係があり、「食べる美容」のことをインナーケアというらしい。そのインナーケアについて、専門の皮膚科医が語るとともに、インナーケアに関する調査が2015年3月23日、トレンド総研より発表された。
いま人気のコラーゲン配合化粧品、このコラーゲン、皮膚からの吸収は難しいが、食品として摂取することで皮膚に到達するという。
エステティシャンに限らず、理美容師にとっても参考になる情報といえる。
長文ですが、興味のある方はご一読ください。
(以下、ニュースリリース)
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1.【専門家インタビュー】 皮膚科医・馬渕 知子先生に聞く、美肌のためのスキンケア術
はじめに、肌のケアについて、春先に気をつけた方がよいポイントや、美肌のために必要なケアについて、内科・皮膚科医の馬渕 知子先生にお話を伺いました。
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馬渕 知子(まぶち・ともこ) マブチメディカルクリニック院長
東京医科大学医学部卒業後、同医科大学病院皮膚科学講座に所属しながら同病院に勤務。その後、マブチメディカルクリニックを開院、現院長。2011年には「食と医療」の成果を認められ、学校法人食糧学院理事に就任。同学院の講師も務める。2015年に開催予定のミラノ国際万博では日本館サポーターに就任し、日本の食文化を健康・食育の観点から世界に広めるなど幅広く活動。内科学・皮膚科学が専門であるが、分子栄養学やアンチエイジング医療なども得意とし、あらゆる科との提携を結び、総合的・多面的に人間の体をサポー
トする医療を推進している。
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■ 肌の約7割は“内側”の状態やケアで決まる…美肌の第一歩は腸内環境の改善
Q.肌にとってどのようなケアが重要かを教えてください。
肌の状態は、体の内側の状態や内側からのケアが6~7割、外側が3~4割の割合で決まります。内側からの影響の方が強いため、体の中をきちんと保つことが重要です。内側からケアをしていない状態で外側からケアをしても、肌のトラブルを“隠す”ことはできても、根本的に治らないので、少し改善したとしても再度肌の調子が悪くなりやすいと言えます。
体に取り入れる栄養は生命に関係するような重要な場所から供給されると言われており、皮膚への栄養供給は後回しになる可能性があります。ですので、常に皮膚へ栄養が行き渡るくらいの十分な栄養を摂っていないと、肌には良い影響がなかなか出てきません。
そのため、内側のケア=“インナーケア”をするにあたっては、まず摂取する食べ物に気をつけること、そして、腸内環境をきれいに保つことが重要です。「肌は腸の鏡」という表現がありますが、肌をきれいにするためには腸内環境の改善が一番の近道と言ってもよいくらいなのです。
Q.なぜ腸内環境の改善が肌によい効果をもたらすのでしょうか。
肌と腸はいわばつながっている状態。体の内側ではありますが、顔の皮膚から口の中をたどって腸まで続いている、皮膚の一部とも言えます。肌が荒れている状態であれば腸も荒れている可能性が高く、その逆もしかりです。
口から摂取した栄養は腸で吸収されますが、健康的な状態の腸は“選別能力”に優れていて、体にとって良いものと悪いものを選り分けるような働きも持っています。ですが、腸の状態が荒れてしまっているとその能力が弱まり、体にとって不必要なものや悪影響を与えるようなものまでも吸収してしまう可能性があります。吸収されたものは血液を通して全身をめぐり、それが肌にも影響をもたらすことがあるのです。
また、肌の状態には自律神経の働きが大きく関係しますが、腸も同様で、肌と腸と自律神経はトライアングルのような関係性にありますので、連動して良くも悪くもなるのです。
自律神経はストレスに非常に弱く、ストレスを受けると腸の動きや機能が低下してしまいます。
人によってストレスの耐性は異なりますが、ストレスの影響を受けやすい人は、ちょっとしたことでお腹の調子が悪くなってしまう。最近は特に若い人で、お腹の状態が悪い人が増えているように感じます。昔と比べてもかなり増えているのではないでしょうか。
仕事にプライベートに忙しい現代人は、ストレスをコントロールしようとしてもなかなか難しい部分があると思いますので、腸内環境を正常に保つためにも、取り入れやすくちょっとした工夫で実践できる食べ物での内側のケアは重要であると言えます。
■ 腸から作る美肌習慣、毎食のヨーグルトでも違い
Q.腸内環境を良い状態に保ち、美しい肌を保つために効果的な成分や食べ物を教えてください。
抱えている肌の悩みによって異なりますが、腸内環境を改善する食べ物としては発酵食品や酵素が含まれるものが良いでしょう。発酵食品は手軽なものでヨーグルトや納豆などがおすすめです。例えばいつもの食事に毎食ヨーグルトを加えるだけでも随分変化があるのではないでしょうか。酵素は新鮮な生の野菜や果物で多く摂取できるので、スムージーのようにジュースにして飲むのも良いですね。
■ コラーゲンやセラミドなど肌によい成分を積極的に摂取して
肌に良い成分としては、コラーゲンをおすすめします。口から摂ったコラーゲンにマーカーをつけてその動きや働きを追跡した実験では、消化された後、3~4時間程度後にはマーカーをつけたコラーゲンが皮膚(肌)や骨に出てきたという結果もあり、直接肌などに届くことが分かっています。
ちなみに、コラーゲンには大きく3種類あり、料理で使うコラーゲンはいわゆるゼラチン。食品やサプリメントなどで多く使われているのはコラーゲンペプチド、医療用に使われるものがアテロコラーゲンです。
ゼラチンが少量で水がゼリー状に固まるように、コラーゲンは水を溜め込む性質があります。ただし、料理で使うようなゼラチンでは、一度には多くのコラーゲンを摂取するのには難しい。コラーゲンペプチドは加工がしやすい性質から食品やサプリメント、美容ドリンクなどにも使われています。そのため、ある程度の量を簡単に、かつ有効に摂取するのにはコラーゲンペプチドやアテロコラーゲンが適していると言えます。コラーゲンは“皮”の部分にとても多いので、皮ごと食べられる鮭やのまるごと食べられるしらすなど、動物であれば皮や筋に多いので、手羽先、なんこつや牛すじなどの食材でも摂取することができます。
コラーゲンは肌のハリやうるおいに効果がありますが、吹き出物や肌荒れといった悩みを抱えている場合は、乳酸菌や酵素類も一緒にを摂ることを心がけてください。ほかにも、シミなどにはビタミンC、美白は最近ではプラセンタが効果的だと言われています。
また、乾燥など、肌の“表面”が気になる場合は、セラミドを摂取するのも良いでしょう。セラミドは人間の肌にもともとある成分のひとつで、皮膚の表面でのバリア機能のひとつとしての働きと、肌の入れ替わりであるターンオーバーのサポートにも期待ができます。
肌の表面で、水分と油分でバリアを張っているようなイメージですので、不足してバリア機能が弱ってしまっていると、例えば肌に花粉が付着した際に反応しやすくなるなどの影響もあります。最近では基礎化粧品に配合されていることが多いです。
内側からのケアとしては他に、きちんとお風呂に浸って体を温める、体を冷やさないように心がける、適度な運動で全身の血の流れをよくするといったものもありますが、やはり毎日の食べ物から取り入れることが簡単で続けやすいのではないでしょうか。手軽に済ませようとコンビニでサンドイッチとスープだけ、という食生活では栄養素がやはり足りません。自分の肌の悩み・症状や体の状態を見極めて、必要な栄養素を毎日の食事で習慣付けながら摂取すること、同時に、サプリメントや美容ドリンクなどで適宜有効な成分をプラスすることで、今よりもさらに健康的で美しい肌、腸に近づけると言えます。
2.【調査結果】 美容習慣と“インナーケア”に関する意識・実態調査
専門家へのインタビューをふまえ、実際に女性たちが春先にどのような肌の悩みを抱えているか、また、「インナーケア」への取り組みの実態について、30~59歳の女性600名を対象として調査をおこないました。
■ 8割が季節の変わり目に肌の調子の悪さを自覚。春先の肌、気になるものトップは「紫外線」
はじめに、季節の変わり目の肌の調子について調べたところ、80%が「季節の変わり目に肌の調子が悪くなる」と回答。特に春先は、「紫外線」(63%)、「空気の乾燥」(51%)、「花粉」(42%)、「寒暖差」(34%)などの肌への影響を気にしています。また、59%と約6割が「冬から春への変わり目に、美容・スキンケア方法を変えるべき」だと考えており、季節の変化に合わせた美容・スキンケア方法を求めています。
現在の肌の状態について、悩みとして多かったのは「しみ、そばかす」(51%)、「たるみ」(45%)、「乾燥、かさつき」(37%)などの結果に。自分の「美肌度」を100点満点で評価してもらうと、平均は50点と低めで、自分の肌に満足している人は少ないようです。
■ “インナーケア”のジレンマ!95%が「必要」と理解しつつ、「できている」女性は5%
続いて、普段のスキンケアとして取り入れている方法や、ケアへの意識について調査をおこないました。
普段取り入れているスキンケアでは、「化粧水や乳液など、基礎化粧品をつける」(64%)、「紫外線対策をおこなう」(42%)、「保湿効果の高い基礎化粧品を使う」(37%)など、“外側からのケア(=アウターケア)”が上位に並びました。対して、「健康食品やサプリを摂取する」(28%)、「肌によい食べ物や飲み物を摂取する」(19%)といった“内側からのケア(インナーケア)”を実践している人はやや少ない結果に。
そこで、化粧水など何かを外側からつける・身につけるケアを“アウターケア”、食べ物などから何かを摂取し体の内側からおこなうケアを“インナーケア”として、どちらをより取り入れているかを質問すると、“アウターケア”を取り入れている人が大きく差をつけて多く66%、“インナーケア”は34%にとどまりました。ただし、「肌・美容のために“インナーケア”は必要だと思いますか?」と聞くと、95%が「思う」と答えています。
また、“インナーケア”は“アウターケア”と比べて、「健康に良さそう」(91%)、「肌以外にもよい効果が見込めそう」(87%)と、その必要性と重要性は多くの人が認識していると考えられます。
それにも関わらず、実際に“インナーケア”が十分にできていると感じている人はわずか5%で、“インナーケア”の必要性に気付きながらも、大多数は取り入れられていない実態が明らかになりました。
なお、この“インナーケア”が「十分にできている」5%の人たちは、自分の肌年齢について「実年齢より若い」(63%)と認識しており、「できていない」と回答した層(31%)を大きく引き離しています。実年齢より何歳くらい若いと思うかを聞いても、「できていない」層は実年齢に対して-5.9歳なのに対し、「十分にできている」層は-7.4歳と、“インナーケア”をしていることで自分の肌への満足度に違いが出ているともとらえられます。
■ 支持率高は食べ物による“インナーケア”― 継続の鍵は「健康」「手軽」「おいしい」
“インナーケア”の必要性・重要性は認識されながらも実践されていないという実態をふまえ、“インナーケア”が十分に取り入れられていない原因をさらに探りました。
まず、“インナーケア”が十分にできていない理由としては、「体にいい食事・食べ物を用意するのが手間だから」(40%)が最も多く、「体にいい食事・食べ物は価格が高いから」(34%)、「何が効果的な食事・食べ物なのか分からないから」(34%)などの理由が上位に挙がりました。専門家への取材でも明らかになった通り、食事、運動、入浴など、“インナーケア”にはいくつかの方法がありますが、もっとも基本的であると言えるのは「食事・食べ物による“インナーケア”」です。サプリメントによる“インナーケア”も広く知られていますが、食事・食べ物による“インナーケア”と比べると、63%の人が「食事・食べ物による“インナーケア”の方が効果的だと思う」と回答しました。
そこで、食事・食べ物による“インナーケア”にフォーカスし、どのようなものであれば続けられると思うか、その条件を調査すると、「健康によい」(96%)のほか、「手軽に入手できる」(91%)、「調理が必要ない、そのまま食べられる」(85%)と、体への効果と同時に、手軽さが重視されていることが分かりました。
加えて、「おいしい」(93%)と回答した人も「健康によい」に続いて非常に多く、毎日“インナーケア”を続けるための食事・食べ物の条件としては、「健康によい」・「手軽である」・「おいしい」ことが鍵になると考えられます。
■ 身近な食べ物で“食べる肌美容”、取り入れたい食べ物1位は「ヨーグルト」に
最後に、具体的にどのような食べ物を取り入れたいかについても調査しました。それにあたり、これまで肌のために取り入れたことのある食べ物を聞くと、1位は「ヨーグルト」(51%)。続いて、「くだもの」(44%)、「緑黄色野菜」(42%)となりました。肌のために今後(も)取り入れたい食べ物でも同様の傾向が見られ、1位は「ヨーグルト」(51%)の結果に。この結果をふまえ、「ヨーグルトは肌にいいと思いますか?」と聞くと、94%と大多数が「思う」と回答し、ポジティブなイメージを抱いている人が大多数でした。
野菜やくだものに比べ調理の必要がないことや、日常的に摂取しやすく、手軽に手に入れられる食べ物であるなど、続けやすい条件を兼ね備えていることからも、多くの人に支持されている可能性がうかがえます。
ちなみに、「日常的に摂取するような身近な食事・食べ物で“インナーケア”ができるとしたら、取り組みたいと思いますか?」と質問すると、約9割が「取り組みたい」(89%)と答え、手軽で身近な食事・食べ物での“食べる肌美容”として、“インナーケア”のニーズは非常に高いと言えるでしょう。
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[調査概要]
・調査期間:2015年2月25日~2月26日
・調査対象:30~59歳 女性 600名 ※年代別に均等割付
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
・調査方法:インターネット調査
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