深剃りには注意を 賠償請求の恐れも
Posted on | 4月 13, 2014 | No Comments
結婚式を控えた女性顧客にパーマを失敗して490万円の損害賠償を請求された美容師さんが訴えた女性と係争している事件は理美容の業界でも注目されているが、今回は係争ではないが、理容店のシェービングで出血した場合の法的な対処方法をテーマにした記事が、一般メディアに掲載されていた。刃物を扱う理美容師さんにとっても参考になる記事なので、引用して紹介します。
情報源は、小学館のネットメディアで、週刊ポスト(2014年4月18日号)の記事から。
「理容店で、見習いの新人が剃った結果、技術が稚拙で顎から首にかけて血だらけに。商談も、取引先に絆創膏だらけの顔を不審に思われ不調となった。精神的苦痛を含めた損害賠償請求は可能か?」
という質問に、竹下正己さんという弁護士が回答。
その回答は、
「深剃りすれば血がにじむこともあります。でも、すぐ止まりますし、傷になって目立つこともありません。大抵は、傷つけられたともいえないほどでやむを得ない受忍限度内でしょう。」
さらに
「とはいえ結婚式直前の花婿や容貌が財産であるモデルなどがひどい傷をつけられた場合には、被った精神的苦痛への慰謝料や仕事を無くしたことによる逸失利益の賠償請求が認められる可能性はあります。」
としている。
これにはただし書きがあって、
「これらは、特別損害であり、床屋がそうした事情をあらかじめ知っているか、知りえた場合に限ります。なので、あなたの商談不調による損害の賠償は無理かと思います。」
というのが弁護士の回答(要点)でした。
至極、順当な判断だといえる。
むかしの理容師さんは、逆剃り(深剃り)をして、ヒゲが数日間生えてこないことを自慢していたそうだが、出血するような深剃りは禁物。顧客の衛生面はもちろん、顧客に血液を媒介する伝染病があった場合は技術者の健康面にも被害を被る恐れがある。
いずれにしても、この回答にあるように、結婚を控えた男性(女性も)や芸能人に施術するときは特段の注意が必要といえる
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