アベノミクスと理美容業の景気
Posted on | 11月 10, 2013 | No Comments
アベノミクス効果で、輸出が増えるなど景気回復への期待が高まっている。豪華なマンションをはじめ高級品の売れ行きが好調だと言うし、上場している企業が発表する業績はおおむね良好だ。日本経済は確かにひと昔とは違う。
理美容業の景気はどうなのだろう。
日本政策金融公庫が四半期ごとに発表する景気動向調査では、理美容業の景気が回復基調になっているのを示しているが、総務省の消費者物価指数や家計調査では相変わらず低迷している。
日本政策金融公庫の景気動向調査は、「よくなった」「悪くなった」を比べるDI調査なので、期待・希望や失望・落胆といったイメージが入り込みやすい。
一方、10月末に発表された上場企業の美容サロンの業績予想は芳しくなかった。田谷、アルテとも今年に入ってからの実績がふるわず、下方修正した。こちらは、実績に基づいているだけに、経営の実態を如実に現している。
この2社は上場企業で、経営努力は普通の美容サロン以上にしているはずだ。その2社が下方修正では、他は推して知るべしだ。低料金をコンセプトにした業態店を除き、通常の営業形態をしている一般の美容サロンは低迷している。
20年以上続く長期デフレの日本経済は、安倍政権が発足して確かに変わった。以前は物価が下がるのを待っていた消費者だったが、いま現在は賃金が上昇するのを待っている状態だ。
賃金が上昇するまえに、アベノミクス効果で輸入に頼る食品や燃料が値上がりしては、消費者は他の支出を抑えざるを得ない。これでは理美容業の景況が一段と悪くなるのは仕方ない。これが好景気になる前の「産みの苦しみ」と信じたい。
【参考記事】
日本政策金融公庫の景気動向調査<美容>
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