技能五輪で日本が勝てない訳
Posted on | 8月 14, 2013 | No Comments
技能五輪で日本が勝てない訳……。といっても日本は今年7月開かれた42回ドイツ大会で5個の金メダルをはじめ出場した40職種で、30職種で入賞するなど頑張っている。勝てないのは理容美容職種である。
勝てないのには訳がある。
一つは年齢の問題がある。日本の場合、高校を卒業してから美容学校に入学して技能を学ぶ。技能五輪の年齢制限は22歳なので、4年ほどしか習練する期間がない。他国もいろいろだが、多くは15歳ぐらいから職業教育を受け、7年ほど習練期間がある。若いときの3年の差は大きい。
年齢だけが原因なら、高卒が「義務化」している他の職種も同様だ。日本には年齢のハンディを乗り越えて上位に入るだけの力がある。
一番の問題は、国内の予選大会と国際大会の種目が違うことにある。驚くべきことだが事実なのだ。これでは勝てない。
国内予選では理容職種と美容職種は別々に行う。ところが国際大会は理容と美容を合わせた競技を行う。
日本からは、国内予選での優勝者、または上位入賞が一人だけ理容美容職種に出場する。理容職種からの選手は美容職種は未経験、逆に美容職種からの選手は理容職種が未経験。出場が決まってから特訓をするのだろうが、半年程度の練習では上位に入れるほど上達するのは難しい。
今回は美容職種から選手がでたが、結果は案の定、惨憺たるものだった。これは選手の技量が低いわけではまったくない。日本の技能五輪への取り組み、とりわけ国内大会のやり方に問題がある。
日本では理容と美容が別々の資格制度、別々の業界で、それがそのまま大会運営に反映されている。技能五輪ぐらい、理容美容の枠を取り払って、国際基準に合わせるべきだろう。
技能五輪は、国内の理容美容の業界ではそれほど注目されていない。
しかし、理美容業界の競技大会は業界外に知られることは少ないが、技能五輪は業界外には露出する。
いつもいつも入賞圏外では、日本の理容美容職種の技術レベルは、欧米はもとより、東南アジアより相当下回っている、と判断する人がいてもおかしくない。
それより何より、国際大会を目指して懸命に努力している若い理美容師さんが気の毒だ。
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