アデランスがJIS適合の医療ウイッグを発表
Posted on | 7月 3, 2015 | No Comments
医療用ウイッグがJIS制定されたのにともない、既存製品の適合審査をすすめていたアデランスは同社のJIS適合製品を2015年7月2日発表した。現在、医療保険の対象外になっている医療用ウイッグだが、将来的には保険適用、医療控除などの公的助成への道筋をつける第一歩としている。
医療用ウイッグは、癌治療の副作用、重篤な円形脱毛症、先天性無毛症などの患者にとって、必須の装着具になっている。「抗癌剤による副作用ランキング」(国立がん研究センター)によると、女性は「頭髪の脱毛」を一位にあげている。吐き気や全身の痛みなどの直接的な苦痛よりも、外見の変化による精神的負担を苦痛と感じている。
医療用ウイッグは、欧州の一部の国では補助金制度があるが、日本では国による補助はない。その理由の一つが、医療用ウイッグに規程がないためで、日本毛髪工業組合が中心となって、専門の委員会を立ち上げ、経済産業省とも連携しJIS規格を検討、この4月にJIS S 9623として制定された。
制定されたJIS規程では、外観、性能、などを規程、また安全性を最優先した内容になっている。
医療用ウイッグを規定した制度は日本が初めてで、アデランスではJISを基に国際基準であるIOSを制定したいとしている。
今回、アデランスが認定製品として発表したブランドは、Rafra、Swanee、BE-Rafraの3ブランド20製品。BE-Rafraは一般の理美容サロンでも扱う製品になっている。
なお、アデランスはJIS規格制定に先立ち、昨年よりウイッグ購入費用を実費保証する保険を販売しているAIU損保と提携している。
JIS S 9623として制定された医療用ウイッグだが、現在のところメーカー各社が指定された複数の検査機関での審査を受け、それぞれ認定されているようだ。やはり、広く信頼を得、将来の公的助成を得るには、一つの中立性のある専門機関が審査を行い、認定するようにすべきだろう。
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