毛髪バイオマーカーの可視化技術を発表 タカラベルモント
Posted on | 12月 20, 2025 | No Comments
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美容・健康分野では応用が遅れているとされてきたバイオマーカーについて、毛髪内部に存在するバイオマーカーを高精細に可視化し、定量評価する技術が示された。毛髪バイオマーカーの新たな評価軸となる可能性を持つ成果だ。
タカラベルモント株式会社の開発本部 化粧品研究開発部は、2025年12月8日から10日にパシフィコ横浜で開催された第3回 日本化粧品技術者会 学術大会で、同社独自の「イメージング技術」に関する研究成果をポスターセッションで発表した。

従来、毛髪中に含まれる神経伝達物質やホルモン、アレルギー関連物質などの解析は、「どれくらい含まれているか」といった量的情報や、大まかな存在位置の把握にとどまっていた。今回発表された技術では、自然に抜け落ちた毛髪の毛球部を対象に、「縦×横切り」という独自の手法を用いることで、バイオマーカーが毛髪内部の「どこに」「どのような形で」存在しているかを高精細に可視化することに成功した。
さらに、その分布状態をスコアとして数値化することで、空間情報を定量的に評価できる基盤を構築した。この空間把握力に優れた技術は、それ自体が新しい評価指標となるだけでなく、従来の量的アプローチと組み合わせることで、毛髪バイオマーカーの活用可能性を大きく広げるとされる。
毛髪バイオマーカーは、医療や研究分野では活用が進む一方、美容・健康分野では限定的だった。その背景には、毛髪が体内情報を蓄積する「蓄積媒体」であると同時に、ホルモンなどの影響を受ける「標的組織」でもあり、さらにハリ・コシやクセといった形状変化にも関与するため、「含有量」だけでは評価しきれないという特性がある。
本研究は、毛髪内部の成分分布という空間情報を可視化・数値化することで、この課題に一つの解を示したといえる。
タグ: タカラベルモント, バイオマーカー, 美容サイエンス
























