鈴木勝裕氏が 新業態美容室を提案
Posted on | 11月 2, 2010 | No Comments
美容業界の風雲児の異名を持つ、鈴木勝裕氏の講演が11月2日、東京・原宿で行われた。主催・ビューティガレージ。
鈴木勝裕氏は、美容室の対象顧客の人口が、この10年間で20%減少するとし、「普通に努力していたのでは収益は現在より20%減少する。努力しなければ30、40%減少する。数%増えれば非常に頑張ったことになる」と語り、美容業界の置かれた厳しい将来を示し、美容業界が発展するためには「人」であり、スタッフの給与アップが前提でなければ、業界の発展は難しい、とした上で、これからの美容業界が繁栄するためには、美容師の多能化と、美容師の生産性を極限まで高めた複合サロンであるとし、その可能性について持論を展開した。
△客層拡大の必要性
美容サロンのメインターゲットである20~40代の女性は、少子化の影響でこの先10年で20%も減少するという統計が出ている。
これに加え、増え続ける競合サロンのとの激化する顧客の奪い合い、そしてデフレスパイラルによるサロンへの来店機会の減少と、美容サロンは3重苦に苦しめられる。
平均以上がんばってもいいところで売上は20%減、平均以上頑張らなければ売上は30~40%もしくはそれ以上の減少と、美容サロンには厳しい現実が待っている。
特に地方のサロンは生き残りが非常に厳しくなってくるだろう。
この現実をただただ悲観したり、傷をなめ合ったりするのではなく、ただただ現実の状況を見据えて対処する必要がある。
△生き残るために㈱クリップが実行した、前代未聞の方法
そこで㈱クリップの鈴木代表取締役が考案したのが、美容師の多能工化。
複合サロン「Beautissimo」では、一人の美容師に、併設のトリミングサロンでの“トリマー”、お客様の美しいスタイリングを写真に残すための写真館での“カメラマン”、高齢化社会に対応するための移動福祉車両での“出張美容師”と、いくつもの顔を持たせ、一人あたりの生産性を極限まで高めた。
その結果、スタッフの月給は100万円に。
サロンの特徴付けと、従業員満足を同時に実現した。
「Beautissimo」における美容師の多能工化は、サロンの生き残りをかけた特徴づくりの一例だが、日本人は世界でも稀に見る、手先の器用さと抜群のホスピタリティーを誇る民族。
これは他の民族から見ても類まれな素晴らしい特徴なので、ぜひともそれを生かし、美容サロンのオーナーは生き残りをかけて自らのサロンの差別化と、成功する戦略を練るべきである。
【鈴木勝裕氏 プロフィル】
昭和38年3月1日生まれ。
中央理容専門学校、山野美容専門学校卒。23才で独立。
原宿でカリスマ美容師として活躍、雑誌、TV出演などで話題になり、美容業界の風雲児の異名を持つ。
ペットショップ、写真館、ネット通販、移動福祉美容などの複合サロンの新業態を提案、実践している。
著書に「ドリームスリート」。
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