生活衛生関係営業対策事業費補助金 難しい事業評価
Posted on | 10月 24, 2010 | No Comments
5月の事業仕分けで、美容業関係では全国および地方の生活衛生営業指導センターへの補助金事業と管理美容師講習が「廃止」と判定された。あれから半年。
平成23年度の厚生労働省の概算要求をみると、「廃止」判定の生活衛生営業対策費は予算はゼロと確かに仕分けの判断通りになっているが、新たに「生活衛生関係営業対策事業費補助金」といささか長い名称の項目がたてられ継承されようとしている。
要求額は、政府の一律1割カットに沿い、前年9億円だったものが、8億1千万円。目新しい要求項目は事業仕分けで指摘された補助金事業の効果測定の予算を計上したこと。この予算では全国および47の地方の指導センター1事業所当たり年間36万円で効果測定することになる。
「生活衛生営業関係の振興に関する検討会」でその評価の仕方が検討されているが、これが難しい。
引き合いに出される国土交通省の道路の場合、「予算対作った道路の長さ」が評価の対象になるわけではない。作ったことによって、周辺道路の渋滞がどれくらい緩和されたかを測定し評価する。道路を作ったのはいいがほとんど利用されない、というのでは評価は極めて低い。
自民党政権下ならそれでもどんどん工事をしたが、民主党政権下では無駄な工事はしないことになっている。道路に限らず、ダムなども同様に評価され、この手法が基準になっている。
ところが生活衛生業への補助金事業の場合、衛生の確保が第一義の目的になるが、これをどう評価するかが難しい。
現在不衛生状態で、補助金事業によって改善された、というのなら計数的に判断でき評価のしようもあるが、現在はそんなことはない。予防、もしくは新型インフルエンザのように流行を食い止める、というこのが評価の対象になるのだろうが、これとて流行ってみないことには分からない。流行るかどうかもわからない。
補助金事業の目的には、個々の営業店に対する経営振興もある。むしろこちらの方が比重は大きい。
専門の相談員がアドバイスしてどれくらい経営が改善したかなら計数で把握できる。とはいっても、地方の指導センターの相談員は4、5人しか配置されていない。この人数で16業種をみるのは大変だ。とはいっても、やるほかない情勢だろう。
1人1日5、6店を回るのは当然のノルマとして、さらにどれくらい経営が改善したかを個々の相談員ごとに評価する。その積み上げが全体の評価になる。経営を改善できない相談員はやめてもらう。そんな方法が最善だと思う。
当然相談員は、天下りではなく、公募ということになるが、はたして「生活衛生営業関係の振興に関する検討会」で、どのような結論を出すのか注目したい。
(2010年10月24日)
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