「カッピング」(吸い玉)は疑似科学?
Posted on | 5月 27, 2019 | No Comments
民間療法として日本でも行われている「カッピング」を完全に否定する記事が『Forbes Japan』電子版に2019年5月25日掲載された。米国ジョンズ・ホプキンズ大学のブルームバーグ特別教授が書いた「「カッピング」は疑似科学、米大学教授が警戒を呼び掛け」と題する記事。
「カッピング」といっても理美容の美顔術で行うゴムの吸引による「カッピング」とは違う、いわゆる「吸い玉」のこと。
動力ポンプや、カップ内の空気を温め冷めるにつれて収縮する力を利用して強い吸引力を得て行うもので、一部のエステティックサロンなどで施術されている。
記事では、カッピングの効果が科学的に立証されていないとする一方、人体に危害を与えるリスクが高いことを指摘。
また、米国立補完統合衛生センター(NCCIH、米国では権威のある組織らしい)のカッピングについての警告を紹介している。
・持続的な皮膚の変色、傷痕、やけど、感染症などの副作用を引き起こし、湿疹や乾癬を悪化させる可能性がある
・まれではあるが、頭蓋内出血や失血による貧血など、重篤な副作用の例が報告されている。
この記事では「カッピング」を「百害あって一利なし」を決めつけている。
理美容の美顔術(フェイシャルマッサージ)で行う「カッピング」は主にマッサージ効果を目的にし、血行の促進や代謝をよくする効果が期待される。
力の強い「吸い玉」は、表面的なコリだけではなく、頑固なコリ、血行促進による冷えの改善、代謝改善によりホルモンの分泌や自律神経の調整、さらにデトックスなどにも効果的といわれている。
ただ、この手の民間療法の効果は個人差が大きいのも事実で、エステティックサロンや機器を扱う会社では公的機関による科学的な効果の立証が求められよう。
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