美容業の24%が親族以外に事業継承
Posted on | 1月 26, 2019 | No Comments
日本政策金融公庫は2019年1月22日、「事業継承に関するアンケート調査」の結果を発表した。3割強の理美容業者が「事業を継承したい」意向があるのがわかった。また、子供や親族への事業継承が多いが、美容業は親族以外への事業継承が24%と他の生衛業にくらべ多い。
事業継承についての意向
第三者への売却・事業譲渡を含め「事業を継承させたい」と回答した理容業は32%、美容業は33%で、生衛業全体の38%を下回った。逆に「事業を継承させる予定はない」と回答した理容業は29%、美容業は31%で、生衛業全体の27%を下回った。他の生衛業に比べ、事業継承の意向はやや低い。
後継者の有無
前問で「事業を継承させたい」と回答した事業者を対象にした調査で、生衛業全体では57%が「後継者が決まっている」と回答。美容業で決まっているのは50%、理容業では68%だった。
後継者または後継候補者との関係
前問で、「後継者が決まっている」(57%)「後継者は未定だが候補はいる」(26%)と回答した事業者を対象にした調査で、生衛業全体では「子供」が80%を占めた。理容業は85%、美容業は71%が「子供」だった。「子供以外の親族」は理容業は5%、美容業は10%で、親族への事業継承意向は理容業で85%、美容業は81%だった。逆に「親族以外への継承」意向は美容業は24%で、生衛業のなかでも多い。
事業継承の予定時期
「事業を継承させたい」と回答した事業者を対象にした調査で、全体では「5年以内」までを合算すると38%になる。理容業は38%、美容業は27%だった。理美容業界だけでなく生衛業全体が高齢化しており、早期に事業継承したい意向がうかがえる。
事業継承の準備状況
「事業を継承させたい」と回答した事業者を対象にした調査で、全体では「準備を進めている」が42%だった。理容業は42%、美容業は35%で美容業がやや遅れている。
事業継承の準備をしていない理由
「まだ自分で事業が続けられる」が理容業美容業とも最多だった。美容業は23%が「後継者または後継候補者が決まっていない」が23%あった。
事業継承をしない理由
理容業と美容業では「事業の先行きに不安がある」に差がある。理容業は44%なのに対し、美容業は24%で20ポイントほど少ない。その背景として「現在の業績が悪い」が美容業は11%なのに対し、理容業は28%と倍以上あるからだろう。
第三者から事業を継承したいと打診があった場合の意向
業界活性化、地域社会の活性化などから今後第三者への事業継承が増えてくるものと予想されるが、「前向きに検討」「検討してもいい」合わせると全体では31%が「検討」と回答している。理容業は37%、美容業は30%が「検討」と回答している。
【調査概要】
調査時期:2018年9月上旬
調査方法:郵送
調査対象:生衛業3290企業
有効回答:3092企業(理容業:404企業、美容業:461企業)
(情報/ニュースリリース、掲載グラフも)
【事業継承の参考資料】
生衛業向け「事業引継ぎの可能性発見ガイド」(日本政策金融公庫)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/hikitsugi.html
タグ: 事業継承, 日本政策金融公庫