外国人美容師就労 都が特区提案
Posted on | 8月 28, 2018 | No Comments
インバウンド需要への対応や日本の美容技術を海外に伝える担い手として外国人美容師の就労を認めるよう、東京都が内閣府・国家戦略会議に提案した。2018年8月27日開かれた国家戦略特区の第22回東京圏区域会議で新規規制改革として提案したもの。
都が提出した資料によると、現在日本の美容学校に学ぶ外国人留学生は毎年200人いるが、日本の免許は取得できるものの就労は認められていない。
都の提案内容は
①外国人材の受入機関となる各ヘアサロンを公的に管理する仕組みを整備する
ことを前提として、
②美容学校を卒業し日本の美容師免許を取得した外国人美容師の就労を可能とする
というもの。
公的に管理する仕組みとして(下図参照)
都などの行政機関が、専門知識を有する業界団体などを管理監督し、業界団体が外国人美容師を受け入れる各ヘアサロンを管理指導する、という一例が提案されている。
管理監督する業界団体としては、東京都美容業生活衛生同業組合が有力視されている。
都では、外国人美容師が就労することで、
①日本の高い美容技術が広く海外に伝わり
②クールジャパンの観点での魅力発信に寄与
などの効果が期待できるとしている。
なお、提案には盛り込まれていないが、外国人美容師が就労するには留学の在留資格だけでは不法就労になるので、具体化には特定活動(指定書)での在留資格を担保することなどが今後の検討課題になる。
都の提案書より
外国人美容師就労提案を東京都に要望したのは東京都美容業生活衛生同業組合(BA東京)で、BA東京が管理団体になることを前提にしている。管理団体は、外国人美容師を受け入れるサロンを指導し教育するが、その具体的な内容は「管理団体の実施事項」(下記)として都に提案されている。
雇用条件は日本人美容師と同等かそれ以上とすることを義務づけるとともに、募集採用に関しては管理団体を通して行うことにしており、BA東京の管理のもとに外国人美容師の就労が行われることになる。
管理団体の実施事項
イ、社会保険(最低でも労働保険・健康保険)に加入していなければならない。
ロ、外国人美容師の報酬などの雇用条件は日本人が従事する場合と同等、もしくは同等以上でなければならない。
ハ、外国人美容師の受け入れを希望する企業の経営者もしくは店主・店舗管理者は管理団体が実施する外国人美容師の適正雇用に関する講習を受けなければならない。
ニ、外国人美容師の受け入れを希望する企業の経営者もしくは店主・店舗管理者は定期的に開催する受け入れサロンの連絡会議に参加しなければならない。
ホ、外国人美容師の受け入れを行った企業の経営者もしくは店主・店舗管理者は当管理団体の指定する、ヘアーデザイナー養成カリキュラムに沿った技術実習・教育訓練をし、養成の実行とその報告書の提出を果たすこと。
ヘ、外国人美容師の受け入れを行った企業の経営者もしくは店主・店舗管理者は、雇用した外国人美容師を当管理団体が行う技術講習及び各種講習に参加させなけれなならない。
ト、外国人美容師の受け入れを行った企業の経営者もしくは店主・店舗管理者は外国人美容師の従事報告を入国管理局に報告しなければならない。
チ、外国人美容師の受け入れを希望する企業は、当管理団体を通じて、就労を希望する外国人美容師の求人を行なうものとする。
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