理美容業界 トップ10企業の動勢
Posted on | 1月 19, 2013 | No Comments
小規模零細業者が大半の理美容業界にも大手といわれるサロン企業がある。売上でみると、阪南理美容が業界トップで、335億円の超す年間売上(2011年、決算公開情報による。以下同)がある。
2位以下は、
②アルテサロンホールディングス
③アースホールディングス
④田谷
⑤キュービーネット
⑥カットツイン
⑦エムワイケー
⑧日鳥大和
⑨アポロ
⑩ソシエワールド
がトップ10になる。
トップ10の売上高を合計すると、1127億円を超す。
2011年の理美容市場は2兆2930億円(経産省のサービス産業動向調査を元に算出)で、トップ10企業の売上は4.9%を占める。トップ10企業で市場占有率が5%ほどなので、やはり理美容業界は小規模零細事業者が大半であるといえる。
しかし、2011年の理美容市場は全体で前年比4.7%のマイナス成長だったが、トップ10企業では6.2%プラス成長している。理美容市場が縮小している中で、大手サロンは売上を伸ばしている。
消費者ニーズを的確につかみ、資金力を活用し企業努力をしている、と言ってしまえばそれまでだが、トップ10企業の中にもその業態によって伸長している企業とそうでない企業がある。
トップ10企業は、安価な料金のサロンと、高付加価値サービスを提供するサロンとに大別できる。前者のなかでもアースホールディングスはやや苦戦をしているが、阪南理美容やキュービーネットは着実に売上を伸ばしている。売上を伸ばしているといっても、個々のサロンではなく、店舗数を増やして企業全体として売上を伸ばしているとみるべきだ。
逆に後者のサロンを中心に展開している田谷などは苦戦している。ソシエワールドは順位を徐々に下げているし、以前はベスト10の常連だった遠藤波津子美容室は2010年からベスト10に入っていない。
この背景には、デフレ経済下、消費者の低価格志向があるのだろうが、理美容市場が縮小する中、低価格サロンに流れる顧客が増えていることをこれらのデータは裏付けている。
理美容業界はまさに顧客の奪い合いの状況ともいえる。かといって、一般のサロンが低価格を志向するのは愚の骨頂で、資金力のある大手には太刀打ちできるはずもない。
低料金店に流れる顧客を食い止めるには、それぞれのサロンが自店の特長を活かし、地域性を考慮した営業を行うほかない。
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