ピンチをチャンスに
Posted on | 3月 10, 2012 | No Comments
前回、団塊の世代が本格的な年金生活をはじめると、消費にブレーキがかかり、いっそうの経済停滞が懸念されると書いた。当然、美容への支出も抑制されることになり、長期的には美容市場も縮小トレンドに入ることになる。だからとって、全く活路がないかというと、そうでもない。
いま、定年を迎えた団塊の世代の中には、カラオケや料理教室、ダンスなど趣味を楽しむ人も多く、定年を迎えたとはいえ、まだまだ元気だ。とはいうものの、年金の支給額は彼らの一世代前に比べると確実に減り、余裕のある人ばかりではない。毎日を趣味に興じられる人は少数で、やむを得ず家にこもってしまう男性は多い。
男性の場合、定年を過ぎても働く場がある人は救われるが、60歳過ぎの初老の男性を雇用してくれる会社は限られている。ところが女性の働く場は高齢になっても意外と多くある。
定年退職した亭主が外出することもなく、四六時中、家にいる家庭では、外に出たがる奥さんがとくに多い。早い話、亭主は煙たがれている。
亭主が居すわる家を抜け出すことができ、しかも何がしかの稼ぎになれば、これにこしたことはない。というわけで、働きに出る奥さんは増える。夫が定年退職した家庭のすべての奥さんが働きに出るわけではないが、かなりな数に上るはずだ。奥さんが稼ぐとなれば、当然夫婦間の主導権は奥さんが握ることになる。
そして、外出するとなると、外見にも気をつかう。定年前ほどの余裕はないにしろ、おしゃれをする。加齢にともない衰えの目立つ肌の手入れや髪の手入れも気になる。
そういう少し高齢な主婦層を狙ってのメニューを提案するのは、売上げ減少が見込まれるなかで、一つの有力な方法である。
髪の手入れ、ヘアケアに関してはすでに多くの美容サロンで取り入れていて、業界メーカーが発表するヘアケア用剤の販売実績をみても、それなりの成果を上げているのがわかるが、すでに飽和状態になりつつある。
その一方で、スキンケアに関しては店販で扱っている美容サロンはそう多くはない。効果の実感できる基礎化粧品を品揃えし、的確なカウンセリングをしてさしあげれば、きっと常連客として取り込める。
これからは肌の衰えが気になり、外出する機会のある少し高齢な主婦層をターゲットにしたスキンケアの提案が美容サロン繁栄のための一つのキーポイントになる。
タグ: 小山秀男の日々雑感