政府助成金で理美容店もキャッシュレス化
Posted on | 3月 11, 2019 | No Comments
今年10月に予定されている消費税増税にともなう需要の落ち込みを防ぐ対策として政府がすすめている、いわゆるポイント還元事業への理美容業界の取組が動きはじめた。2月12日に開いたNBBA臨時セミナーで経済産業省の担当官が理美容業界に向けてIT導入にともなう補助金のポイントなどを説明、また3月7日には同省の意向を受けて全理連が前向きに取組むことを明らかにした。
ポイント還元事業、正式には「キャッシュレス・消費者還元事業」。この事業のために政府は平成31年度予算で2798億円の助成金を充てる。事業の概要は、キャッシュレス化した事業所で支払を清算した場合、2019年10月から9ヶ月間、消費者にポイントが還元される、というもの。
キャッシュレス化には決済端末の導入が必要だが、理美容業のような中小・小規模事業者が導入する場合は費用の三分のニが助成金で補填され、残りの三分の一は決済事業者が負担する。つまり理美容店は費用がかからずに導入できる。
また理美容店は決済事業とキャッシュレス決済の契約をする必要があるが、加盟店の手数料は3.25%以下にすることが決まっているほか、ポイント事業還元期間中は加盟する理美容店が負担する3.25%の手数料のうち三分の一を国が負担するので、理美容店の負担は2.17%に抑えられる。
キャッシュレス決済の導入は、消費者の需要を喚起する以外にも、理美容業にとってレジ締めの手間やコストが省け生産性向上につながる。また、外国人客が見込める理美容店にとってはキャッシュレス化することで誘客に有利になるなどのメリットが多いことから、全理連としても希望する組合員店に導入を支援する。
この件で、大森利夫全理連理事長は、キャッシュレス化を進める世耕弘成経産大臣の考えに賛同し、同省の担当職員と打合せを進めていることを理事会に報告した。
キャッシュレス決済導入には、決済事業者の選定が一つのテーマになるが、すでに生活衛生業での利用がすすんでいる、airレジ、airペイを運営するリクルートライフスタイル社など数社を検討することにしている。airレジは全国のビッグカメラに専用カウンターがあり、airレジ、airペイの導入、補助金の申請などの相談を受けつけている。
なお、この補助金は組合店に限ったことではなく、広く利用できる制度になっているが、独自に決済事業者を選定するなどの手続きが必要になる。
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