理美容関連の税制改正 平成25年度も期待薄
Posted on | 5月 19, 2012 | No Comments
理容美容業界など生活衛生業の税制について検討するワーキンググループ(以下、WG)の審議が大詰めを迎えている。
毎年、6月までに翌年度の優遇税制の要望を提出して、財務省などの審議を経て、年末には閣議決定される。
それぞれの業界、業種から、その特性などを考慮して、妥当であると判断されれば、優遇措置がとられる。ところが昨今の財政難の折、なかなか業界の要望通りにはいかない。WGで、理容、美容などの業界代表者がそれぞれ業界の特徴などをプレゼンしたが、理容・美容業界特有の特徴であって、しかも優遇税制の対象になる事項となると、なかなか見当たらない。
小規模零細業者が多い理容・美容では、経営難や後継者不足、経営者の高齢化、事業継承の難かしさなどを抱えている。しかし、これらの問題は理容・美容に限った問題ではない。小規模零細業に共通する問題で、中小企業庁や青色申告会の税制要望に含まれる。
近年、生衛業で優遇税制が認められたのは、旅館やホテルなどの不動産評価の見直しやクリーニングの浄化設備への税の軽減措置などである。前者は国が進める観光立国との関係で、後者は環境問題の関係で認められた。
WGを主宰する厚生労働省の本音としては、同省が法律(*)でバックアップする組合、組合員への優遇にあるのだろうが、これが難しい。現行制度でも優遇措置はあるものの、利用例は数えるほどしかない。
組合(組合員)への税制優遇は、税の平等性の観点から、非組合員と差をつけるにはそれなりの理由が必要だ。しかし、残念ながら財務省を納得させるだけの理由は見当たらない。だいいち、WGの議論はそこまでいっていない。
というわけで、平成25年度の税制改正も理容美容業界にとっては、例年通り期待できそうにない。
(*)生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律
WGの正式名称は、「生活衛生関係営業活性化のための税制問題ワーキンググループ」(主宰・厚生労働省健康局生活衛生課)
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