団塊の世代が本格的な年金生活者に
Posted on | 2月 15, 2012 | No Comments
団塊の世代がいよいよ本格的に年金生活に入る。
65歳を迎え、今年の4月にリタイアする男性はざっと110万人。
実際には雇用関係もあって、すでに年金生活に入っている人も少なくないはずだが、被雇用者としては全員が晴れて卒業することになる。
団塊の世代の数は520万人、連れ合いを合わせると1060万人を数える。団塊の世代だけで日本の人口の8%を超える。
日本の経済はある意味、この団塊の世代が牽引してきた。労働の担い手として、消費の担い手として、経済に貢献してきた。とりわけ人口が多いだけに消費者として内需を支えてきた面は大きい。
その団塊の世代が年金生活に入ると、消費にブレーキがかかるのはやむを得ない。旺盛な消費活動は、それに見合う収入があって可能なわけで、年金という限られた収入では消費もままならない。
リタイアを記念して夫婦でツアーを楽しむ人もいるだろう。それに関連して美容にお金を使う人もいるかもしれない。しかし、それは限定的、一時的な支出であって長い目で見れば消費はしぼむ。
年金制度や医療・介護の問題など将来に不安要因が多いとあっては、極力無駄な支出は控え、将来の不安解消のためにも預金が重視される。
日本経済はデフレから依然として脱却できていない。平成23年の美容関係の物価指数は前年比マイナス0.4ポイントと、総合指数(生鮮食料品を除く)より悪い。家計調査も理美容への支出は物価指数以上のマイナスになっている。
つまり、美容の料金は下がり、消費者は美容への利用回数を減らしている。これでは美容室の経営は苦しい。そして、団塊の世代が年金生活に本格的に突入する今年、さらに厳しい状況が美容業界を待ち受けているのは間違いない。
いま、いくらか余裕のある世代は、団塊の世代の上の世代といえる。実際、旅行会社をはじめいろいろな業界がこの世代に向けての商品を開発して、それなりの結果を出している。果たして美容業界はどうなのだろう。
次回はこの世代に向けた美容業界の取り組みについて提案したい。
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