選挙後も続く、理美容業の冬の時代
Posted on | 12月 9, 2014 | No Comments
衆議院議員選挙、たけなわである。争点はアベノミクスになっている。
このアベノミクスの評価については賛否さまざまであるが、私の所見は、金融緩和で市場に流れ出た金は上からさらに上へと流れているとみる。その結果、富裕層は増え、一部の富裕層は超富裕層になった。その反面、年収200万円以下の貧困層は1200万人から2400万人へと倍増し、300万円以下の貧乏人はいまや国民の半数以上を占めるまでになってしまった。
年収1000万円クラスの中間層の所得はやや増えたが、彼らは輸出関係をはじめとする大企業に勤めるサラリーマンや公務員らである。彼ら以外の中小企業で働く人や非正規で働く人は苦しいままである。これでは国全体の景況感は良くならない。
今回の選挙は政権交代をはらむような選挙ではない。安倍政権の信任投票的な意味合いが強く、いまひとつ盛り上がりに欠ける。前回の投票率を大きく下回るのは間違いない。その結果、固定支持者を抱えている政党にとって有利な選挙になる。
「この道しかない」ということでアベノミクスは選挙後も継続される。円安は継続し、仕切り直しで、ばらまき的な事業がまた行われる。
円安になっても、20年前とはすでに産業構造が変わっているので、国全体の産業が潤うようなことはない。中小企業で働く人や非正規で働く人の所得が物価上昇以上に伸びるのは難しい。その一方で輸入品の値上がりは続く。
食料品や燃料などの生活必需品の値上がりが続けば、理美容やエステティックなどの利用は控える。一部の富裕層の動向は別にしても、庶民の低価格志向、利用の手控え(来店頻度の落ち込み)は続くことになる。
こうして理美容業界、エステティック業界にとって厳しい冬の時代は続く。
【小山秀男氏のホームページ】
http://www.koyama-lab.com/
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