令和2年度 生衛関係予算55億円の実態は?
Posted on | 3月 2, 2020 | No Comments
令和2年度の理美容業など生衛関係への政府予算は総額55億円余に決まりましたが、その内容はというと、、、
予算の7割近くを日本政策金融公庫(日本公庫)への補給金(38億29百万円)が占めます。日本公庫は生衛業者に対し通常の貸付利率より低い利率で融資していますが、その差額利子分の補填をするのが目的の予算です。
ついで多いのが、生活衛生関係営業対策事業補助金で11億56百万円です。この資金で行われる事業を国庫補助金事業といい、通称、補助金事業費といわれる予算です。
その内訳は、全国生活衛生営業指導センターに3億30百万円、地方生活衛生営業指導センターに5億49百万円、残りの2億77百万円が生衛業の組合・連合会への補助金事業費です。
補助金事業費の2億77百万円を16業種ある生衛業の組合・連合会に分配されます。近年は理容業、美容業に合わせて4千万円ほどが拠出され、この補助金で連合会・組合は衛生向上関連事業や業界振興事業など実施しています。
民主党政権(2009年~2012年)以前は、会議費と称して、役員らが高級料亭などで飲み食いして予算を使ってしまったこともありましたが、民主党政権以降は各組合・連合会からの事業計画を事前に審査して選定し、事後は実施後の評価が行われるようになり、以前に比べたら格段に税金が有効に使われるようになりました。とはいっても、生衛関係予算全体の4%ほどに過ぎず、少ない。
生活衛生営業指導センターは、いわゆる役人の天下り機関として知られています。全国センターは中央官庁の役人を、地方は各都道府県の生衛関係部署の役人を受け入れています。地方には5億49百万円が国から拠出されますが、同額を各地方自治体が負担するという仕組みです。財政豊かな自治体は別にして地方自治体にとっても迷惑な話かもしれません。
前述の日本公庫への拠出金は利子補給が目的になっていますが、生衛業への貸付を行うスタッフなど管理費も含まれます。利子補給分と管理費の詳細は公開されていませんが、貸付金額が低迷しているのをみると相当部分が人件費などの管理費に費やされているはずです。生衛業への貸付業務は旧・環境衛生公庫の担当していますが、これも天下りです。
生衛関係の政府予算55億円余といっても大半は天下りのための予算です。これが実態です。
理美容業でみれば、日本理容美容教育センター、理容師美容師試験研修センターという政府外郭団体がありますが、これも天下り機関として存在していました。
天下りについては、これも民主党政権で禁止されたのはいいのですが、民主党政権になるまえに就任した天下りが以降継続して居座るという事態になっています。
予算は毎年増え続けています。天下りの役人にとってはなくてはならない予算なのは間違いありませんが、はたして理美容業はじめ生衛業界のためにどれほど役立っているかは疑問です。
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