「脱毛専門医」が登場した平成時代
Posted on | 10月 19, 2018 | No Comments
平成の時代になる前、医師法とは別にアートメイクや脱毛を行う限定的な資格制度の必要性を書いたことがあります。
医師は、生命に直結した医療分野で活躍することが大前提の職業で、生命と直接関わりがないものの医療的な要素を含む分野は別の資格で対応するのが合理的と考えたからです。医師は人の生命を担う仕事をしてほしい、という期待もありました。
30年以上も前のことで、当時はイボとりはすでに皮膚科医が行っていましたが、米国の州ではイボとり、脱毛などの簡単な施術は医師以外の専門知識のある人が行っていました。それを踏まえて日本でもアートメイクや脱毛に限定した資格制度の必要性を訴えたものです。
あれから30年、平成の時代も終わりかけている昨今、目にした「脱毛専門医」。「脱毛は医師にお任せ下さい」とあり、「自由診療、料金○○円」。
エステティック業界は「美容ライト脱毛」の基準を設けて、安心して施術が受けられるエステティシャンによる脱毛施術の普及をはかってきましたが、「脱毛専門医」の出現は脅威です。
30年前にはまさか「脱毛専門医」が登場するとは思いませんでした。世の中、変わるものです。医師が余っていて、新たな業域を求めての「脱毛専門医」なら多少は理解もできますが、産婦人科や小児科、また僻地では医師が不足しているそうです。30年前の期待は裏切られました。
「脱毛専門医」の次には、ホウレイ線に対応する医療を行う医師も登場しています。平成の次代には「入れ墨専門医」や「アートメイク専門医」が誕生するかもしれません。多額な国費を払って養成した医師がこれでは、と残念に思う人は少くないはずです。
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