課長通知を追い風に組合加入促進運動を
Posted on | 9月 10, 2012 | No Comments
昨年の課長通知(2011年7月26日)に続いて、今年も地方自治体の生衛部に組合加入を促す課長通知(2012年7月31日)が出された。
昨年の通知は、新規開業者に生衛組合の存在を告知するよう求めたものだったが、今年はさらに一歩踏み込んで、組合の果たす役割を評価し、広く組合への加入を促す内容になっている。
理容組合、美容組合など生衛組合にとっては組織拡充の追い風になる通知といえる。
この課長通知の背景の一つに、昨年発生した生肉による食中毒の死亡事故がある。生肉食禁止を所管するすべての飲食業者に告知する必要があったが、その旨を役所の掲示版に張り出しただけではさすがに無責任のそしりを免れない。ホームページを活用したとしても、インターネットに縁のない業者も少なくない。
かといって、行政が個々の業者一軒一軒に連絡するのも、昨今の予算削減で保健所には人手を含めて余裕がない。これは各自治体の財政事情、予算配分にもよるが、余裕のない保健所が大半だという。
そこで、厚生労働省が着目したのが生衛16業種の組合だ。組合の組織を活用して行政の連絡事項を円滑に伝えられれば、これにこしたことはない。しかし、現在の組合の組織率は低い。組織率7割の理容組合は優等生、3割そこそこの美容組合が2番手だ。業種によっては組合が存在しない県もある。これでは組合を活用しても期待通りの告知や連絡はできない。そこで今回の課長通知になった。
この通知によって、黙っていても組合加入者が増えるか、というとそんなことはない。熱心に組合加入を勧める保健所の担当者もいるかもしれないが、それはまれなことだろう。
現場の担当職員の対応の前に、いま課長通知そのものの法的な位置づけが問われている。47都道府県の地方行政はともかく、人口の多くを占める政令市や中核市では通知そのものに対する対応にばらつきがある。地方分権、道州制への移行の流れを受けているのだろうが、中央からの通知は「お願い」「参考」程度に解釈する自治体もある。
幸い理容組合・美容組合は生衛業のなかでも組合員は多くいる。今回の課長通知をテコにして、自らが動いて組合加入の促進をはかることができる。
行政からの通知を近隣の非組合員店に連絡するなどして、地道な接触を続れば、加入に結びつくかも知れない。少なくとも、組合の存在価値は認識されるだろう。
今回の課長通知をチャンスと捉え、組合・組合員が先頭に立って加入促進のための行動を起こしたい。
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