減少する美容学校入学者
Posted on | 7月 20, 2012 | No Comments
美容学校への入学者が減り続けている。
18歳人口が減少を続ける中、入学者数が増えた時期もあった美容学校への入学者だが、平成15年を頂点に減少に転じ、9年間で32%減った。
9年間で三分の一の減少で、毎年3%台で減っていることになる。このまま減り続けると、美容業界の担い手がいなくなり、業界は衰退する。いい例が理容だが、まさに業界存亡の危機を迎える事態になる。
若者が美容業界を敬遠する理由には、待遇面で劣ることがある。社会保険や労働保険への加入が低い。最低限の労働保険すら入っていない美容室も少なくない。
社会保険庁では、業界ごとに加入促進策をすすめているが、美容業界(理容、エステティック)は、飲食・コンビニ業界に次いで加入率が低い業界だ。
飲食・コンビニ業界はアルバイトとして働く従業員が多いが、理容美容業界で働く従業員は資格を取得して生涯の職業として働く。
こんな業界の現状を知っては、親や高校の進路の先生は美容業界を避けるのは当然であろう。
保険への加入率が低い理由には、いくつかの理由があることが社会保険庁徴収課の検討会で明らかにされているが、最大の原因は美容業界の収益の低さにある。保険の掛け金を支払う余裕がない。
オーバーショップ状態の美容業界にあって、美容師の減少は決して悪いことではない、という美容室経営者がいるが、どうだろう?
かつて理容業界でも当時の薬局と同様に距離制限を設けたらどうか、と全理連の会合で意見が出されたこともあった。ところが減るときはつるべ落としのごとくだ。歯止めがかからない。
国家資格が必要な美容業界は、エステ業界やネイル業界のような、人材確保に融通性がない。10年後では遅すぎる。減少傾向がはっきりしてきたいま、将来の業界のために対処策を講じておくべきだ。
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