サロンクオリティ 美容室の店販を考える
Posted on | 4月 20, 2012 | No Comments
美容室の店販品は女性にとって魅力のある品である。サロンクオリティという言葉があるように、プロ仕様の高品質な商品というイメージがあるからだ。
NBBAの調査で、美容室の店販品の魅力度を尋ねている。
「とても魅力」「やや魅力」を合わせると、2006年の調査以来4割前後で推移している。とりわけ、10代、20代の女性は魅力と感じている。
しかし、最近1年間の購入経験は2011年は22%しかない。魅力と感じている人の約半分しか購入していない。購入経験は2006年には26%あり、減少傾向にある。
「買わない理由」は、「価格が高い」が69%で最多。ついで「価格がわかりにくい」。また、「購入するのを止めた理由」も「値段が高い」が56%で最多。ついで「市販品で十分」、「必要性を感じない」と続く。
美容室の店販品は高価だ。しかし、高価なことも消費者にとっては「憧れ」になる。それも使ってみて「さすが」と思わせてこそである。値段が高くても満足すれば購入し続けるはずだ。
ところが、この調査結果を見ると、使用したところ「市販品で十分」、「必要性を感じない」が多く、購入を止めてしまう。「高いお金を払って買ったのに期待しほどでもなかった」ということだろう。
業界メーカーは、美容師のカウンセリングやアドバイスの必要性をいうが、要は値段に見合った商品ではないのだ。一言でいえば、商品力がない。
カウンセリングも重要かもしれないが、問題は商品そのものにある。
さらに問題なのは、流通の乱れだ。美容室専売品であるはずの店販品がインターネット上で美容室の仕入れ価格より安く販売されていたりする。これではわざわざ美容室で高い商品を買う人はいない。半値で同じ商品が出回っているのを知ったら、買った人は怒るだろう。売った美容室は不信を買うだけだ。
高価かもしれないが、価格にふさわしい高品質な商品、しかも美容室でしか入手できない商品、そんな商品がいま美容業界に求められている。
サロンクオリティという、一つのブランドを美容業界全体で育て上げなければ、美容室の店販の可能性はない。
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