新鮮なアップスタイル
Posted on | 1月 20, 2012 | No Comments
2012年を迎えました。
年始恒例の福袋は例年の5%の売上が増え、おせち料理もこれまでなく売れたといいます。この不況のさなか、億ションといわれる高級マンションも好調で、東北地方では高級外車が売れています。そして、街には行列のできるレストランが見られます。
一見すると日本の景気はよさそうですが、はたして実態はどうなのでしょう。
美容はというと、確かに予約でいっぱいの美容室もありますが、それは例外に近い。むしろ、客待ちが満席なのはカットオンリー店などの低価格志向の業態店です。美容業界全体としては、景気はいいとはいえません。
たとえば美容の基本メニューであるパーマをみると、消費者のパーマへの支出は2005年から2010年の5年間で22%減少しました(総務省「家計調査」より)。平均すると毎年4%ほど減っている計算です。
パーマの落ち込みを裏付けているのがパーマネントウエーブ用剤の出荷量です。2005年の出荷量と2010年の出荷量を比べると、31%も減っています(厚生労働省「薬事工業生産統計」より)。
美容室の基幹メニューがこれでは、とても美容の景気はいえません。全美連ではパーマの復権運動で、パーマ需要の回復を図っていますが、残念ながら成果はでていません。
昨年末、NHKは「坂の上の雲」を放映しました。その中で、二〇三高地の攻略戦が描かれていましたが、戦勝後、大流行したのが「二〇三高地」といわれる結髪です。一つのきっかっけで一気に流行った一例といえます。
そんな映像を見たせいか、「二〇三高地」の結髪をした大勢の女性が街中を歩いている夢を見ました。
夢から覚めて、回りをみると、ロングのストレートヘアの女性ばかり。そんな中で、2011年の女子年間最優秀選手に輝いた澤穂希選手が表彰式で見せた、アップスタイルの髪型とあでやかな着物姿はとても新鮮でした。美しく変身した彼女の姿を見て、自分もしてみたいと思った女性は少なからずいたはずです。
ところが、アップスタイルや結髪、ピンパーマの達者な美容師さんは少ない。これでは美容業界の浮揚は難しい。
いまの美容業界に必要なのは、結髪ヘアやウエーブヘアのテクニックと、それらのテクニックをベースにしたヘアスタイルの提案です。美容におけるレトロイノベーションの必要性を再認識した次第です。
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