美容における真のホスピタリティとは
Posted on | 5月 18, 2011 | No Comments
いま美容業界ではホスピタリティ、おもてなしの大切さが強調されている。
もともとはホテルなどの接客業で重要視されてきたもので、近年、美容でも注目されてきているが、ホテルでのホスピタリティと、技術・知識がともなう美容でのホスピタリティは違う。
イチゲンさんは別にして美容の場合、継続して来店されるお客様が多い。当然、前回来店されたお客様の髪の毛の状態や肌の状態は分かっていなければならない。そのためにカルテがあって、前回の来店時と比べて、変化などを把握しなければプロとはいえない。
よく「髪や肌でお悩みはありませんか」と聞く技術者がいるが、これではプロとはいえない。「悩みがありますか」と聞かれても、よほどのことがない限りお客様は「ありません」と答えるはずだ。
髪や肌のプロならば前回来店時のとの違いや肌の状態を察知して、その違いをアドバイスしてさしあげるくらいでないといけない。
的確な指摘を受けたお客様は納得し、感心する。プロとしての専門知識の高さと、そして自分の頭皮頭髪、肌をきちんと管理してくれていることに対して再評価するはずだ。
近年、抜け毛や薄毛に悩む人が増えているせいか、髪にハリがでて、サラサラになるコンディショナーが人気だ。美容室でも店販品としてよく売れているという。確かに塗布したときは指さわりや感触はいいが、一度洗ってしまえば元に戻ってしまう。髪の表面だけをコーティングしただけの見せかけのものでしかない。髪の毛のプロなら、実際に結果のでる育毛メニューを用意して施術してさしあげたい。
肌や髪の状態がよくないお客様が、時としてパーマやヘアカラーをオーダーすることもあるだろう。そんなときに、お客様のためを思うなら、髪や肌の状態を正しく説明してあげて、再考を促すようなアドバイスが大切になる。
待ってましたとばかりに、お客様の髪や肌の状態を無視して、施術してしまうようでは、結局お客様の髪を傷めたり、ひどい場合はかぶれなどを引き起こす恐れもある。これではホスピタリティの精神に反する行為でしかない。
お客様の髪の状態を見て、あえて断る勇気も必要だ。そうすることで間違いなく美容師としてのあなたの評価は高まり、お客様からいっそうの信頼を得ることができる。
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