2013年も縮小 理美容市場
Posted on | 2月 5, 2014 | No Comments
政府が発表した2013年の消費物価指数の変動を示したグラフ(下)を見ていただきたい。総合指数は上昇に転じた。生鮮食料品を除いた総合指数も上昇はしたが、11月、12月に減速しはじめた。食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合指数は、いくらか上向いてはいるが100を下回ったままである。
早い話、今般の物価上昇はアベノミクスによる円安で、輸入品の食料やエネルギー関連商品が値上がりしたためといえる。食料(酒類を除く)とエネルギーを除いた物価は相変わらず指数100以下のデフレ状態にあるのは、この資料からも分かる。
理美容サービス(中分類)の指数は、この1年間99.6と99.5で推移しており、他の物価同様、上昇トレンドにあるとはいえない。(「食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合指数」のグラフ参照)
また、家計調査(二人以上の世帯)の2013年を通期(総務省の月報値を編集部が集計したデータ。後日、年報が公表される)でみると、
対前年比
理容:▼11%
パーマ:▼12%
カット:0%
と、理美容サービスに支払われる金額は前年より減少した。
食料品やエネルギー関連商品など生活必需品に支払う金額が増え、他の支出を抑えて生活の防衛をしている消費者の姿が見て取れる。
これらの調査結果から2013年の理美容マーケットは前年に比べ縮小したと判断できる。縮小幅はヘアカラーなどが不明なため推測になるが、3%前後だろう。
ちなみにエステティックなど嗜好性が高く、高付加価値なサービスは理美容以上に縮小していると思われる。
そして2014年。
4月には消費税の値上げがある。消費税アップによる影響は、理容美容は他業ほどは受けないだろう。理由は、提供するサービスが買いだめのできるものではないのと、価格がさほど高くないし、だいいち益税事業者が多い。
一方、アベノミクス効果で格差の幅は拡大する方向にあり、第三の矢といわれる成長戦略、構造改革の成否を別にしても、格差は広がるだろう。2014年、ごく一部の超高級サロンと低料金の業態サロンは売上増は見込めるだろうが、その中間に位置する大多数の一般的な理美容サロンは依然、厳しい経営が続くことになる。
いづれにしても、理美容が不況から脱出するには、給与生活者の賃金が物価上昇を上回る勢いで上昇するのを待たなくてはならない。
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