ヘアカラーによる即時型アレルギーの検査法を確立
Posted on | 11月 25, 2021 | No Comments
ヘアカラー施術で、ごく稀にアナフィラキシー症状のアレルギーが起こることがあり、理美容業界でも注意をしているが、これまでになかった検査方法が確立された。
染毛剤では国内トップペーカーのホーユーが2021年11月25日発表した。
ヘアカラーによるアレルギーは、頭皮のかぶれなどを起こす遅延型アレルギーと、重症化する恐れのあるアナフィラキシーなど即時型アレルギーがあり、遅延性についてはパッチテストで検査しているが、即時性についてはこれまで検査する方法がなかった。
ヘアカラーによる即時型アレルギーでは、 低分子のヘアカラー成分が体内のタンパク質と結合したものをIgE抗体(*)が認識すると考えられているが、検査に応用された例はない。
研究では、代表的な酸化染料であるパラフェニレンジアミンとタンパク質の結合条件、抗原・抗体反応条件の最適化と検査方法の構築を行い、構築した特異的IgE抗体の検査法が、ヘアカラーによる即時型アレルギーの診断に有用であることが確認できた、という。
なお、この研究は同社と藤田学園 藤田医科大学との共同研究による。
研究内容の詳細は、2021年11月26日(金)~28日(日)に開催される、第51回日本皮膚免疫アレルギー学会総会学術大会(東京)で発表される。
ホーユーはアレルギー診断の精度向上に向け産医連携のもとさらなる研究推進をするため、同大学に寄附講座として「アレルギー疾患対策医療学講座」を開設、ホーユー長久手事業所内にイノベーションセンターを竣工。ヘアカラーの安全性研究の推進はもとより、アレルギー研究推進による社会貢献を目指す、としている。
(情報/プレスリリース)
*)IgE抗体:アレルギーを引き起こす物質で、たんぱく質が関わっているといわれる。
タグ: アナフィラキシー, ヘアカラー, ホーユー