美容店の開業ラッシュは続く!?
Posted on | 9月 20, 2013 | No Comments
9月10日行われた「第35回TISA全国経営者大会」で開会宣言したTISA運営委員会代表委員の高木不二男ダリア会長が、自身が高校の進路指導の先生とのやりとりを紹介していた。
美容学校への入学者数が減少していることから、進路の先生に生徒に美容学校を勧めてほしいと依頼したところ、色よい返事はもらえなかった、というのだ。美容業界は、給与をはじめ労働条件などの待遇面に問題があるという。
進路指導の先生は、生徒の将来を案じて、進路を指導する。労働条件も重要な要素で、給与、労働時間、社会保険、福利厚生などに劣る業界、会社は避けるのは当然といえる。
また、進路の先生は過去の卒業生の進路データを蓄積している。業界ごと、会社ごとの待遇はもとより、離職や転職のデータも把握している。
以前、県立高校の進路指導の先生の話を聞いたことがある。美容業界に入った卒業生の10年後、美容を続けているのは3割に満たない。7割は転職してしまう、という。美容業界以外にも給与や待遇面に問題のある業界はあるが、転職は美容業界が群を抜いて多いらしい。
もちろん中には美容店を開業して営業を続けている卒業生もいるが、生徒の将来を考える立場の進路の先生にてみれば、残念ながら美容業界は勧められる業界ではない、ということだ。
美容学校への入学者が減少しスタッフの確保が難しくなっている美容業界では、入学者の増加を図っている。当然、それには将来、新規開業店が増えることになる。事実、昨年度、美容店の開業が増えた。10年ほど前、美容ブームで美容学校に入った男子生徒が開業適齢期を迎えたからだ。
日本政策金融公庫が発表した創業融資実績によると、美容店の開業は他業を圧倒して多い。あのウオールストリートジャーナルでも日本で美容店の開業ラッシュが報道されたくらいだ(下の画像)。
一方で、22万店を超す美容業界は、オーバーショップ状態が長年指摘されている。
片やオーバーショップの解消、片やスタッフの確保。
まさか、美容業界に若者に入ってほしいが、独立は困る、というのでは話が通らない。若者を使い捨てることになる。いま問題になっているブラック企業と同じだ。
若者に美容業界を目指してほしいのなら、就業中の待遇面の改善はもとより、業界として将来の独立を支援する体制が必要だろう。そういった意味で10月より始動する全美連のBMS制度を期待したい。
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