カウンセリングを通して、お客様との「絆」を
Posted on | 12月 12, 2011 | 1 Comment
美容業界では、かねてよりカウンセリングの大切さが指摘されている。
業界誌がカウンセリングをテーマにした特集をしばしば組んでいるのを見ても、その重要性が認識されているのが分かる。
ところがその内容をみると、カウンセリングの先にあるのは店販ばかりだ。
もちろん、ヘアスタイルのカウンセリングもあって、それは技術の提案になるのだが、それは別として、店販に直結するカウンセリングというのはいかがなものだろう? と常々感じているところである。
自店で扱っている商品を売るためにカウンセリングする。たとえば、お客様の肌を調べて、その肌にあった化粧品をお勧めする。最近では、診断する専用の機器が登場して簡単に調べられる。そして、乾燥肌なら乾燥肌用の美容液を、脂性肌なら脂性肌用の、という具合だ。髪の毛に対しても同様である。
カウンセリングというと、専用のブースを設けたり、専用のコーナーを設けて対応する大手サロンもあるが、そんな設備投資は必要ない。幸い理美容の仕事は、小一時間はお客様と接している仕事である。施術中に雑談や世間話をするのも結構だが、そんな何気ない会話の中からお客様のお悩みを聞き出し、気軽に相談に乗ってあげられるのも理美容師ならではできる。
話の中から乾燥肌あるいは脂性肌になった原因を探り出し、改善するための対処方法を分かりやすく説明してさしあげるのが本来のカウンセリングである。商品を売らんがための、見えすいたカウンセリングをしては、お客様の信頼を失うだけで、結局はお客様は去っていくことになる。
髪や肌の悩みを抱えるお客様は多い。本人にとっては真剣で深刻な悩みである。その悩みを解決して差し上げるには、それ相応の専門知識が必要である。皮膚科学や生理学、香粧品学などの専門知識が求められる。
メーカーやデーラーの講習で得られる知識は偏っていて、お客様のさまざまな悩みに対応できない。店販目的のカウンセリングだとしたら、客も馬鹿ではない、すぐに見抜くはずである。
お客様の立場になてって親身になってお悩みを解決してさしあげる、それが本来のカウンセリングである。お客様と一緒になって悩みを共有し、解決に向けてともに努力する。時としてカウンセリングの先にあるのが、お客様にとって役立つ商品である場合もある。その場合でも特定の商品や自店で扱っている商品に固執してはいけない。効果のある商品を探し出す努力も求められる。
専門知識に基づいた親身になったカウンセリング。そんなカウンセリングを受けたお客様は間違いなく、あなたのファンになるはずである。いま流行の言葉でいうなら、カウンセリングを通して、お客様との「絆」が生まれる。
タグ: コラム, 小山秀男の日々雑感
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Comments
One Response to “カウンセリングを通して、お客様との「絆」を”
12月 14th, 2011 @ 6:50 PM
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