理美容業界にアベノミクスの恩恵は及んでいない
Posted on | 5月 20, 2013 | No Comments
アベノミクス効果で、円安が100円の大台を超え、株価は上昇するなど、日本経済の先行きに期待が高まっている。
自動車をはじめ輸出産業の業績は急速に回復しているし、多くの株式を保有する資産家らは、億単位で資産が増えたという。百貨店では高額商品が売れ、豪華客船の船旅ツアーに人気が集まっていることなどと連日、報道されている。
本当に景気はよくなっているのだろうか?
3月の理美容サービスの市場動向や4月の上場美容サロンの業績を見ると、少なくとも理美容業界にはアベノミクスの恩恵は及んでいない。
理美容業界だけでなく、多くの国内産業の業績は依然、低迷しているようだ。
円安は一方で、輸入品である食料品やエネルギーの価格を押し上げ、消費者に負担を強いている。
理美容業界はじめ、国内産業の景気が回復するには、労働者の給与の上昇が前提になるが、その労働者の給与は、まだ足踏み状態だ。
労働者の給与が上昇するには、国内産業が成長し、人手不足状態にならなければ難しい。人手不足になれば、自ら望む人は別にして派遣社員は減り、生活の安定した正社員が増える。そういう状態になって初めて、理美容業界や国内産業の景気は回復するのだと思う。
待たれるのは、成長戦略や規制緩和の第三の矢だ。将来の成長に期待が持てる経済戦略、族議員の多くが落選するくらいの規制緩和が断行されなければ、日本経済の成長は難しいだろう。
第三の矢が的を外れれば、アベノミクスはアベノバブルよろしく泡と消え、インフレとデフレが同時進行するスタグレーションに陥る恐れもある。
いずれにしても、景気の影響は世間よりワンテンポ遅れて波及する理美容業界だ。
まだ当分は不況の荒波の中に置かれることになる。
タグ: 理美容カフェ