供給過剰な理美容業界 なのに人手不足!?
Posted on | 7月 14, 2023 | No Comments
人手不足に悩まされているのは理美容業界だけではないようです。介護、運輸、飲食、ホテル、教育などさまざまな職場で人手不足がいわれてます。
これらの業界では、人が集まらない、やめてしまう人が多いといった共通点があり、その結果の人手不足です。
人手不足になる原因の一つとして、働く側からみると、労働の割に給与が少ないことがあります。おそらく労働に見合う、あるいはそれ以上の給与を支給すれば人手不足は解消されるかもしれません。とはいうものの給与を上げることは簡単ではない。
人手不足の業界が多くあるなかで、理美容業界の場合は業界としては供給過剰な状態にあるという特異な状況になってます。
介護やホテルの業界では、入所希望者や宿泊希望者がいてもスタッフが足りずやむを得ず受け入れを限定するような事態になっているそうです。しかし理美容業界を俯瞰してみると、1日中店を開けていても客待ち時間の長い店が多くあり、供給過剰な状況といえます。なのに人手不足です。
理美容業界の人手不足は一部のサロン企業などに限った話のようです。
なぜこのような不思議な状態になっているのでしょうか。答えは独立しやすい業界だからです。
介護やホテルの業界では、専門のスキルがあっても辞めて独立して事業を興すのは容易ではありません。その点理美容の場合は技術があれば他業よりは独立しやすい環境にあります。だから、勤務先の給与などが頭打ちになると、独立が有力な選択肢になります。店を構えての独立開業だけでなく、いまはSNSを活用し集客しシェアサロンで営業するというフリーランスの選択肢もあります。
その結果、一人営業店が半数、2人営業店を合わせると理美容室が業界全体の四分の三を超える状況になっています(令和3年経済センサス)。面貸しや業務委託ではない完全独立型のフリーランスも増えているはずです。
小規模理美容室の半数は高齢経営者で廃業数は一定数ありますが、それ以上に新規開業が多く、小規模店は増えることはあっても減りそうにありません。
ところが需要は限られています。
このような状況をみると、理美容業の将来は副業的に経営したり、得意客を相手にサイドビジネスとして行い、自分のやりたい他職と兼業しながら理美容業を営む人が増える可能性がありそうです。もちろん理美容室だけに傾注して経営する人も多くいるはずですが、働き方が多様化する令和の時代です。兼業や完全独立型のフリーランスも理美容師の働き方として有力な選択肢になりそうです。
タグ: 人手不足, 店舗過剰, 理美容ラウンジ